愛媛県東温市(とうおんし)の中山間地域ブランディング支援事業。この事業にコンサルとして入らせて頂き商品開発、販路開拓などを行っていくのですが、中山間の方々と協力して、実際に自分たちで商品を作ってみることにしました。
まずは素材集めから・・・。
東温市の奥松瀬川(おくませかわ)地区で、柚子を育てている方の山にお伺いし、収穫させていただきました。初柚子狩りです。
山の所有者、道満さん(70歳)と地域おこし協力隊の森田さんと一緒にまず600メートルの山を登ります。
山道に入る目の前にはきれいな川が流れています。
20分ほど登っていくと・・・本当に、山の奥という感じですがかつては人が住んでいたとのこと。水田の跡地があり、それがすごい。
紅葉する山々が広がります。
山の山頂付近に着くと視界が開けてきました。
柚子の木が30本ほどでしょうか、生えている場所に到着。
何か売れていく産品ができて、地域の活性に繋がっていってほしい、ということで元々あった柚子の木から接ぎ木などしたり、苗木を植えたりして、育ててきたとのこと。思いがけない場所に柚子の木が生えている姿に、情熱、執念を感じます。
一番古い木は80年くらい経っているらしいですが、立派に実をつけていました。
苗木も育てていて、鹿に食べられないよう囲っています。
この場所には猿、狸、猪、鹿と様々な動物がいるそう。
いたるところに鹿のフンがあります。一見チョコレートみたいですね。干からびたものではなく、なんだか妙に生き生きしているというか・・・
柚子の木には鋭い棘があり、あまり動物に食べられないそうです。収穫していると、何度か棘が手に刺さりました。
森田さんもたくさん取ってくれました。
たくさん柚子を収穫させて頂きました。
完全無農薬で育った柚子たち。それにしても、いい匂い!!!いい色!
(こんな軍手から、とてもいい匂いがしております)
収穫が終わったら、周辺をウロウロさせてもらいました。かつてここに人が住んでいた名残、お墓に銀杏がはらはらと落ちていました。
!!ところどころ、木が剥げています。
猪が木に体をこすりつけた痕らしい。削られたあとから出てくる“松やに”が、虫などを追い払うのに良いらしく、木を使っているらしいのですが、これってメチャクチャ巨大ですよね、道満さん??
このサイズで出てきたらどうしよう。。と思いつつ聞いてみると、普段は出会っても向こうが逃げていくらしいです。猟師が撃つので、人=怖いという印象があるのだとか。しかし、そんなに普通に出会うのかい!と心の中で突っ込みました。
鹿は木の皮を剥いで食べるとのことでしたが、剥がされた木は腐っていってしまうらしいです。
鹿の害は色々な地域で問題になりますが、もはやこの地域では動物>人間、動物の方が優勢という感じです。
この山の手入れをしていた鵜篭さん(80歳)がカキも収穫していましたが、全部は取っていなかったので、なんでですか?と聞くと「これくらは猿に残してやっとくんよーあいつらも腹が減るけん」ということでした。共存というか思いやりですね。
最後、どっさり収穫した柚子とともに山を下るときに、衝撃の光景が!!
御年80歳、元テイジンに勤めていらっしゃったという鵜篭さん、半端ない!足腰の強さ、ボディバランス、まじですか・・・・急斜面を簡単に下って行かれます。
愛媛に帰ってきて、農業漁業、第一次産業の力強さに圧倒されてばかりですが、今回もびっくりしました。奥深い。。
さて、収穫した柚子は、果実ではなく皮の部分を使ってビールになる予定です。
来年2月以降、お楽しみに!!
愛媛の山奥の暮らしは興味深く、楽しい仕事に感謝、です。
2018年11月29日 中野たいせい