12月2日月曜、一般質問に登壇しました。30分間の持ち時間があり、自分で考えた質問をぶつけさせてもらいました。
冒頭に、そもそも何故そう考えるのかという前文を話し、その後個別事項へ。
いずれも「人」を中心とした質問事項としました。
理事者側(=県側)の回答は、ざっとメモを取れたくらいなので、
改めて内容をしっかりお伝えさせていただきたいと思います。
日々、活動を通じて見て、聞いて考えたこと、を伝えました。
限られた時間で、全ての課題意識をぶつけるとはできませんが、 個別の部局に相談に行けるものは継続して問い合わせていきたいと思っています。
ご意見お待ちしております。引き続き、よろしくお願いいたします。
【質問にあたって・・・前文】
地方消滅と言われ始めてから既に数年がたちました。
首都圏への人・モノ・情報の集中は続いていますが、首都圏だけが繁栄する世の中はあり得ず、それぞれの地域の可能性を伸ばし、地方から日本に活力を与えるべきであると考えます。
中央集権的なモノの見方、進め方ではなく、それぞれの地域事情にあわせたルール作り、発展の仕方を追求していくことが求められる中で、本県においては県独自に営業本部を構え、また自転車新文化の創出を行うなど、新しい文化作りに取り組む姿勢は独創的で、また、このような取り組みを沢山の日本人、世の人に知ってもらいたいと考えます。
将来の愛媛を支えていけるよう、私も取り組んでいく覚悟ですが、地域を支え発展させていくためには「人」が必要です。
しかしこの少子高齢化社会において「将来を支えるため」や「少子高齢化を解消するため」に子どもを産むという文脈には抵抗があります。
私も息子を育てる身として、子どもが誰かを支えるための道具であるかのような論調には違和感があります。
子どもを産みたい、それ以前に結婚したい、と思っても踏み出せないのが今の社会ではないでしょうか。
簡単に、踏み出せないこの空気を、本来豊かさが残るはずの地方からこそ変えていきたいと思います。
労働人口が減少するから、「働き方改革を行う」「AIを活用する」という文脈も間違っているように思います。
そこで働き、生活を営む人を豊かにするための取り組みや技術であるべきです。
私たちの子どもや孫の世代が豊かに暮らせる社会を目指し、その結果として、働き方が変わり、子どもが増えるということが本来の姿ではないでしょうか。
これから30年、50年先の豊かさを考え、課題を発見し、可能性に変え、笑顔あふれる愛媛モデルとして、理事者、県議会の皆様と取り組んでいきたいと思います。
では、豊かな愛媛、日本とはなんでしょうか。私は地理的状況をハンデと言わず、利点とすることだと考えます。
愛媛も日本の中では、四国という島でありますが、日本自体がそもそも四方を海に囲まれた島国です。
それぞれの地域がいかに独自性を発揮し、その魅力を伝え、人と交流し、発展させていくことができるかが課題であり、愛媛の可能性でもあります。
疲れたら愛媛、まじめ愛媛といった、今現在県のPRに出てくる指標はまさに人にフォーカスしたものです。
そういった事柄を踏まえ、いかに、人を支援し、人を育てていくか。
住みやすく、新たな可能性へ踏み出せる環境を作っていくという視点で質問をさせて頂きます。
質問要旨
1 県のICT戦略について
国の第5期科学技術基本計画において、我が国が目指すべき未来社会の姿として提唱されるSociety5.0というモデルが目前に迫っている。
Society5.0の社会は、仮想空間と現実空間が融合され、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会とされている。
ICTによって様々な知識や情報が共有され、新たな価値を生み出し、ロボットや自動走行車などの技術により少子高齢化や地方の過疎化、貧富の格差などの課題克服を目指すとされている。
テレワークによる在宅勤務の推進や地域情報の発信など、働き方や地域に人を呼び込む戦略にも大きな影響を及ぼしてくる。
スマートフォンやIoT家電に代表されるように、身の回りの生活用品も情報ネットワークにつながり、顔認証でセキュリティを解除し、スピーカーは話すようになった。
地方こそ首都圏とは違う切り口でICTを使いこなし、地域の発展や安心安全な暮らしの拡大につなげる可能性を追求すべきである。
県は、地理的・時間的な制約を解消し得る手段というICTの本質的な特徴を捉え、様々な分野に挑戦してきている。
愛顔あふれる愛媛県の実現を目指し、防災・減災対策や人口減少対策、地域経済の活性化に重点を置き、各種施策を積極的に展開しており、農林水産業の振興や医療・福祉・環境の向上という諸課題の対応にはICTが不可欠であるとしている。
県は平成27年から4か年の第5次県高度情報化計画を経て、第6次の計画策定に進んでいると思う。
(1)近年のICT環境の急激な進展をどう認識し、今後の高度情報化をどのように進めていくのか。
ICTを巡る状況は変化し続けており、GAFAの成長と規制、ECサイトによる物流の変化やキャッシュレス化の推進など生活に身近な分野での変化は多く、様々な分野に用いられているため、部局を横断し、連携しながら進めていく必要がある。
(2)農業分野での生産性の向上に向け、ICTなどのスマート農業の導入にどう取り組んできたのか。
ICTについて、県では5G検討チームの発足やAIによる職員の健康管理、業務見直し補助による行政のスリム化など、様々な分野で積極的に取り組んでいる。
サービスや生活の利便性向上はもとより、第1次産業を先端技術で支援していくことは、地方ならではのSociety5.0社会の在り方として非常に重要である。
商品流通の管理や経験をデータ化した生育予測などのICTに各種自動化技術等を加えたスマート農業への取組みは、担い手不足や低生産性、低価格という農業現場が抱える課題を解決していく可能性を秘めている。
2 将来を担う人材育成について
技術が発展しても人のためでなければ意味がなく、使いこなせる人がいなければ意味がない。
2030年には全国でIT人材が40~80万人不足すると言われ、人材の育成・確保は急務となっている。
新学習指導要領では、小・中・高校でプログラミング教育が必修化され、来年度から小学校でプログラミング教育が開始される。
プログラミング教室や講座の開講は首都圏が中心であり、今後、教育現場での人材不足が課題となるが、とりわけ地方都市や過疎地域においてはより人材確保が困難と予見される。
県内市町教育委員会のプログラミング教育への対応は急務であり、指導者の養成や環境の整備など県教育委員会の主導的な支援も求められている。
現代では個々が情報を発信できるようになり、地方の魅力を世界に発信できるようになった。
県もプロモーション動画を世界に発信するなど積極的に取り組み、効果を実感していると思う。
保護者の中には、自らが経験していない教育に不安を抱く人もいると聞くが、早い段階から子どもがICT機器に慣れ、様々な変化に対応できる課題解決能力を身に付ける必要がある。
小学6年生がプログラミングを始めて2年足らずで日本代表となり、香港で行われたコンテストのアプリ開発部門で優勝するなど、情報通信分野での子どもの活躍に注目が集まっている。
初等教育から高等教育までの戦略的なプログラミング人材の育成により、県のICT事業を推進できる人材を育て、他県を超える攻めの姿勢を県は取っている。
また、高度IT人材創出・育成事業に取り組み、実需の創出を目指してきた。
先端技術の導入を他県に先駆け、地方と首都圏の格差を越え得る未来世代への投資を促し、愛媛独自の魅力の拡大を目指したい。
(1)義務教育段階における小中学校でのプログラミング教育にどのように取り組んでいるのか。
(2)高度IT人材創出・育成事業の取組状況はどうか。
(3)特別支援学校でのICTを活用した教育の取組状況と今後の方針はどうか。
ICT分野は、障がい者が社会で活躍するための支えになることが期待され、在宅勤務により対人機会を必要以上に増やすことなく業務に従事できたり、パソコンの使用においては身体的制約を受けにくい環境を準備できたりと、就労機会の拡大などに直結していく可能性がある。
3 英語4技能の習得に向けたこれまでの取組みと成果はどうか。
昨年東京から故郷愛媛に帰り、取組みの必要性を感じるのは、首都圏との機会の不平等を作らないということである。
地方にいることが利点になるような地域づくりを目指すべきであり、防災士の養成が進むように、教育分野でも本県独自の特徴付けをしてほしい。
延期された大学入学共通テストにおける英語の民間資格・検定試験については、今後どのような対策が進むかは不透明な状況である。
高い受験費用とともに、6団体7種類の同試験の多くは、試験会場が都市部に限られ、地方の受験生に不利であるとの指摘が相次いだ。
47都道府県に設置予定なのはGTECと英検だけである。
これまでの「読む・聞く」に加えて「話す・書く」の4技能を測るとした新たな制度に不安を覚えていた保護者も大勢いる。
県立高校等では、4技能の総合的な育成に取り組んできた。
4 県管理河川における河床掘削、堤防の補強などのハード整備の状況とソフト事業の実施状況はどうか。
県は災害からの創造的復興を掲げ、グループ補助金の活用など被災地のために取り組む一方、我が国では想定外の水害など未曽有の災害への対策が毎年必要となっている。
報道では、関東や東北地方の平野部を始めとする河川の氾濫する姿が繰り返し流れ、台風19号による浸水範囲は昨年の西日本豪雨災害を超え、川の堤防の決壊は7県で71河川、140か所に上った。
本県の河川管理は、一級河川、二級河川を合わせ全国6位の1,157河川、総延長3,072kmに及び、災害対策に終わりはなく、市街地を流れる河川に対しても降雨時の状況に不安を持つ住民の声を多く聞いた。
県も国の3か年緊急対策に伴う交付金を活用して河床掘削を進めるなど、対策を実施しているが、昨年度末時点の河川整備率は45.2%で、道路改良率の75.4%を大きく下回っており、河川への対応は急務である。
松山市内の各町内会長から、今年の台風の際にも「あと30cmで川を超えるところだった」「法面が柔らかく豪雨に耐えられるか不安」との声が上がっている。
一方で、洪水を防ぐ堤防整備などのハード対策で一挙に補うには限界があり、まずは、住民の命を守ることが最優先課題と考えると、避難勧告等の情報が発せられた場合に住民がその内容を十分に理解し、速やかな避難行動に移れるよう普及啓発を図るソフト事業の充実にも取り組む必要がある。
5 県の観光政策について
(1)海外との交流の基盤となる国際定期航空路線の維持・拡大にどのように取り組んでいくのか。
国は観光立国を推進し、各地域もインバウンド誘致に取り組んでいる。「爆買い」が終焉を迎える中で、地域本来の魅力を知ってもらい、買う、体験させる、県民も外国人と接し、また外国へ出かけることで異文化と接し自らを磨くなど、定期、チャーター路線を持つことは当該国と友好を深め様々な可能性を生み出す。
新幹線を持たない四国では空路の利活用は非常に重要なことである。国は本年10月に日本を訪れた外国人旅行者数が249万6,600人であり、前年同月から5.5%減少したとの推計を発表した。
日本中がラグビーワールドカップに沸き、海外のラグビーファンが来日する中での減少であり事態は深刻である。
特に、関係悪化が続く韓国からの旅行者が大幅に減少した。
国際情勢による日韓関係の冷え込みが経済に波及する中、本県では、他県で運休、減便が相次ぐソウル線を維持している。
台湾便の就航を始め松山空港の国際定期航空路線の確保は、経済上だけの交流ではなく、長年チャーター便の運航を続けて信頼を築きながら、文化を含めて当該国や地域と向き合ってきた県の取組みの成果であり、県職員の前向きな姿勢は非常に心強い。
現在、松山空港からの航路がある国や地域のほかにも民間レベルを含め経済交流を続けるインドネシアや人材の誘導を含めて取り組んでいるベトナム、海外プロモーションをしかける欧米諸国など、本県と強い絆で結ばれている国や地域は多数ある。
(2)住民主体の観光まちづくりやおもてなし人材の育成にどう取り組んでいるのか。
沖縄県の外国人観光客は年間300万人を数え、アジア諸国から多くの人が訪れている。
沖縄県の観光に関する県民意識調査では、沖縄の発展に観光が寄与しているかとの設問に、「とても思う」「やや思う」が86.4%と高い一方で、観光が発展すると生活が豊かになるかという設問には、「とても思う」「やや思う」29.1%、「どちらともいえない」33.5%、「あまり思わない」「まったく思わない」37.1%となっており、未就業者のうち観光産業で「働きたい」意向は3.4%と低い。一方、1972年の沖縄県の観光収入は324億円に対し、昨年には7,335億円に伸びている。
京都などでも所得の向上に直結せず、渋滞の発生や景観の損失などにより不便さが増すオーバーツーリズム、観光公害という弊害も指摘されている。
また、地域の事情に不案内な観光客のストレスは住民を上回るものとなり、満足度が低下することで、観光地としてのブランド価値が大きく損なわれることを懸念する。
本県は、その状況にないが、観光政策の推進が、地域経済の発展につながるだけでなく、グローバル人材を育てたり、海外の市場につながるなど地域住民等にとってプラスになる結果が求められる。
今後も多くの観光客を呼び込み、実需を創出し続けるためには、地域を活性化し、住民と観光客の交流促進が重要であり、観光客の満足度を高めるためには、本県独自のおもてなし人材の育成が欠かせない。
質問の全文も追ってUPさせて頂きます!