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松山の災害医療を、地域で支え合う|広域連携で守る、いのちを救う体制づくり
松山で育ち、地域の現場を歩いてきた私が願う、「支え合いで守る」災害医療のかたち
私は松山で生まれ育ち、県議会議員として地域の安全や暮らしの現場に関わってきました。松山には、地域を支える力のある病院と、日々真摯に働く医療の担い手がいます。その確かな力を土台に、災害のときにいのちを守り抜くために大切なのは、一つの病院の頑張りだけに委ねるのではなく、「誰が・どこで・何を担うか」という広域の連携を、平時から現場レベルで分かち合っておくことだと考えています。松山の医療の底力を、地域全体で支え合うネットワークとして活かしていく。その前向きな体制づくりの道筋を描いていきます。
【この記事のポイント】
- 災害医療の要は、一つの病院の能力ではなく、平時から築かれた広域連携の設計です。
- 指揮系統の明確さ、役割分担、情報共有の仕組みが、いのちを救う土台になります。
- 松山の医療資源を活かし、代替拠点やモバイル医療も組み合わせて備えを厚くします。
今日のおさらい:要点3つ
- 知りたいこと:松山の災害医療を、どう支え合いの体制で守れるかを知りたい、ということです。
- その奥にある願い:どんなときも、松山でいのちと健康を守り抜きたい、という思いです。
- 次の一歩:広域連携を紙の計画にとどめず、訓練と改善を重ねて現場に根づかせることです。
この記事の結論
- 松山には、地域を支える病院と真摯な医療の担い手がいます。
- 災害医療は、指揮系統・役割分担・情報共有の3点が土台になります。
- 松山単独で抱え込まず、近隣や県との広域連携を前提に設計します。
- 建物の備えに加え、代替拠点やモバイル医療で厚みを持たせます。
松山の災害医療を、どう支え合いで設計するか
指揮系統と情報のハブを、はっきりさせる
災害のときにまず必要なのは、「誰が状況を把握し、指示を出すか」をあらかじめ決めておくことです。市の災害対策本部と医療の担当班が立ち上がる条件、基幹となる病院の災害医療コーディネーターの役割、行政と医療機関をつなぐ情報のハブの位置づけ。こうした枠組みが明文化され、連絡のルートが日ごろから確かめられているかどうかが、初動の質を大きく左右します。
大切なのは、「災害が起きたら、最初の時間で誰が何をするか」を具体的に決めておくことです。それだけで、初動の混乱を大きく減らせます。松山の医療の力を最大限に活かすためにも、まず「動き出しの設計」を丁寧に整えておくことが欠かせません。
役割分担:誰が、何を優先して診るか
災害のときは、平時の専門分野より、「場所と機能」で役割を分ける方が有効です。基幹病院は重症者への集中的な治療を担い、周辺の病院は中等症や入院の管理、慢性疾患の急な悪化に対応する。診療所や在宅のチームは軽症者のフォローや処方の継続を担い、介護施設は高齢者の一時的な受け入れや避難生活の支援を受け持つ。こうして分担することで、限られた医師や看護師でも、地域全体としての力を最大限に発揮できます。
松山には、それぞれ得意分野を持つ医療機関が地域に根づいています。その力を、あらかじめ役割として結びつけておく。個々の頑張りを、支え合いのネットワークへとつなげることが、いのちを守る土台になります。
優先順位と倫理の枠組みを、地域で共有する
災害の医療では、「最も多くのいのちを救う」ことを優先せざるを得ない場面が出てきます。トリアージの運用や、限られた医療資源をどう配分するかといった難しい判断を、各医療機関がばらばらに抱えるのではなく、地域全体で共有されたガイドラインのもとで運用できるかどうか。これが、現場の迷いと重い心の負担を、少しでも和らげることにつながります。
つらい判断を、現場の一人に背負わせない。地域みんなで支える枠組みを、平時から丁寧に用意しておくこと。それが、松山の医療を守る人たち自身を守ることにもなると、私は考えています。
広域の医療連携で、押さえるべきこと
近隣の市町や県とつながる連携ライン
大きな災害では、松山だけで完結する医療体制は現実的ではありません。だからこそ、県全体の災害拠点病院のネットワーク、消防や救急との広域搬送のルール、隣接する市町との受け入れの調整や病床の融通。こうした連携のラインが、いざというときに実際に機能するかを、訓練や振り返りを通じて確かめ続けることが大切です。
支え合いは、松山の中だけにとどまりません。近隣とも手を携え、互いに助け合える関係を平時から育てておく。その広がりが、松山のいのちを守る力を、より確かなものにしていきます。
医薬品・材料・ライフラインを確保する
人員だけでなく、物資とインフラも大切な備えです。病院の自家発電の稼働時間や燃料の備蓄、水や酸素、医薬品や消耗品の最低限の備え、流通が止まったときにどこから補給を受けるか。こうした備えは、個々の病院で抱え込むより、地域の単位で備蓄と配送の計画を組んだ方が、効率よく厚みを持たせられます。
備蓄は「量」だけでなく「鮮度」も大切です。日常の診療で使う物品と備蓄品を入れ替えていく「回転備蓄」の仕組みを取り入れれば、負担を抑えながら、いつでも使える状態を保てます。松山の地域全体で、賢く備えていく工夫を進めていきたいと思います。
情報を、共通の仕組みで分かち合う
病床や手術室の受け入れ状況、被害や職員の出勤の状況、必要な支援。こうした情報を、共通の様式と仕組みで分かち合えれば、電話に頼るより格段に早く、全体の調整ができます。あわせて、停電や通信障害に備え、無線や紙といったアナログな手段との二重化を用意しておくことも欠かせません。デジタルとアナログ、両方の備えが、確かな安心を生みます。
情報が滞りなく流れることは、いのちを救う速さに直結します。松山の医療機関が、平時からつながり、状況を分かち合える関係を築いておく。その積み重ねが、災害時の力になります。
松山の資源を活かした、災害医療インフラ
建物の備えと、機能の分散を進める
災害のときに病院そのものが機能しにくくなる場面も、想定しておく必要があります。建物の耐震や免震の状況を踏まえ、改修や更新の優先順位を丁寧につけていく。同時に、すべてを一カ所に集めるのではなく、機能を分散させ、サテライトの拠点も持つことで、「一部が使えなくても、地域全体では医療が続く」構造を目指す。松山の医療資源を、しなやかに配置しておくことが大切です。
今ある施設を活かしながら、必要な備えを計画的に重ねていく。限りある財源を大切にしながら、松山の医療を次の世代へと確かにつないでいく。その堅実な歩みを大切にしたいと思います。
仮設診療所やモバイルユニットを活かす
建物に頼りすぎない備えとして、仮設のテントやコンテナ型の診療所、移動できる診療車、持ち運べる検査の機器などを組み合わせる方法があります。これにより、「建物に依存しない医療を届ける力」を確保でき、大きな病院が被災したときにも、一定の医療の機能を地域に残せます。松山の各地に、柔軟に医療を届けられる備えを持っておくことが、安心を広げます。
大きな投資を一度にするのではなく、機動力のある備えを少しずつ充実させていく。その積み重ねが、松山全体の災害への強さを、着実に高めていきます。
長い時間軸で、心と体のケアも見据える
災害の医療は、急を要する時期だけではありません。長期のリハビリや、心のケア、暮らしの環境が変わることによる慢性疾患への対応が、時間とともに大切な課題になります。施設や人の配置を考えるときに、こうした長い時間軸も視野に入れておくと、あとからの追加の負担を抑えられます。急性期から回復まで、切れ目のない支えを設計しておくことが理想です。
いのちを救ったあとの暮らしまで、松山は支え続ける。その姿勢を体制の設計に込めておくことが、真に頼れる災害医療につながると考えています。
よくある質問
Q1. 松山の災害医療は、単独で大規模災害に対応できますか?
1. 単独では難しく、広域の連携を前提に設計します。
2. 県全体や近隣との支え合いが土台になります。
3. だからこそ、平時からの連携づくりが大切です。
Q2. 医療機関同士の連携は、どこまで具体化しますか?
1. 患者数の配分や搬送のルールを決めておきます。
2. 情報共有や応援要請の手順も具体化します。
3. 文書と訓練の両方で、実効性を確かめます。
Q3. 電子カルテが止まった場合の対策は?
1. 紙の記録様式や患者識別リストを準備します。
2. 手書きに切り替える訓練をしておきます。
3. デジタルとアナログの二重化が安心につながります。
Q4. 災害時、慢性疾患の患者はどうフォローしますか?
1. かかりつけ医や在宅医、薬局が連携します。
2. 処方の継続や状態確認を分担して行います。
3. 平時から、その仕組みを整えておきます。
Q5. 医療者の家族ケアは、体制にどう影響しますか?
1. 大きく影響します。家族の安全確保が前提です。
2. 一時預かり先が決まっていると、職務に集中できます。
3. 計画に家族支援の枠を入れておくことが大切です。
Q6. ボランティアの医療者を、どう活かしますか?
1. 登録制や受け入れの手順を事前に整えます。
2. 資格確認や業務範囲を明確にします。
3. 既存のチームに、無理なく組み込みます。
Q7. 訓練に参加しにくい職員が多い場合は?
1. 短時間のロールプレイやeラーニングを用意します。
2. 夜勤帯のミニ訓練など、参加の形を増やします。
3. 誰もが最低限の役割を理解する状態を目指します。
Q8. 災害医療体制は、どう評価すればよいですか?
1. 初動の時間や搬送の時間を、手がかりにします。
2. 通常診療への復帰までの期間も目安になります。
3. 訓練ごとに振り返り、改善を重ねていきます。
まとめ
- 指揮系統・役割分担・情報共有を、地域全体で整えていきます。
- 松山単独で抱えず、近隣や県との広域連携を前提に設計します。
- 既存の医療資源を活かし、代替拠点やモバイル医療で備えを厚くします。
松山で育ち、地域の現場を歩いてきた私は、どんなときもこのまちでいのちと健康が守られる体制をつくりたいと願っています。松山の医療の底力を、地域みんなで支え合うネットワークとして活かしていく。医療に関わる皆さまには、自施設の計画を地域の計画とつなぎ、日ごろの訓練と多職種のチームづくりを重ねていただくことが、確かな力になります。その一歩一歩が、松山の安心を築いていきます。
中野たいせいの想い
中野たいせいは、松山で暮らす一人ひとりの声に耳を傾け、 子育て、福祉、防災、交通、地域経済など、生活に直結する課題に向き合っています。
「松山をもう一度元気にしたい」。 その想いの原点や、まちづくり・防災・生活密着型政策への考え方を、こちらの記事で詳しく紹介しています。