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松山市で地域コミュニティは維持できる?高齢化社会の課題とは

松山市の地域コミュニティを守るには?人口減少時代の支え合いを解説

【この記事のポイント】

  • 松山市の人口は今後30年で15〜17%減少、高齢化率は約40%に達し、「1人の現役世代が2人弱の高齢者を支える」構造に近づきます。
  • 自治会・町内会・子ども会などの地域コミュニティは、担い手不足と高齢化で、今のやり方のままでは維持が難しいと、市の計画や現場の声がそろって指摘しています。
  • 正直なところ、「昔のコミュニティをそのまま残す」のではなく、「役割を絞る」「デジタルを組み合わせる」「公的支援と接続する」ことで、“細く長く続く形”に変えていく発想が必要です。

今日のおさらい:要点3つ

  • 顕在ニーズ:松山市の地域コミュニティは、人口減少・高齢化の中で本当に維持できるのかを知りたいということです。
  • 潜在ニーズ:自治会役員や地域の活動を「いつまで続けられるのか」という不安や、孤立への怖さがあるということです。
  • 行動ニーズ:今のうちに何を変えれば、「10年後も最低限の支え合いが機能している状態」を作れるのかを知りたいということです。

この記事の結論

一言で言うと、「松山市の地域コミュニティは、形を変えれば維持できますが、“昔と同じ濃さ”で続けようとするとどこかで破綻する」ということです。

最も重要なのは、「何を守るか(防災・見守り・祭りなど)」の優先順位を地域で決め、活動内容と頻度を“今の人員と高齢化”に合わせてダウンサイジングすることです。

失敗しないためには、「自治会=すべて自前」ではなく、地域包括支援センターや重層的支援体制など、公的支援との分担・連携を前提に設計し直すことが欠かせません。

松山市の地域コミュニティが直面している現実

人口はゆるやかに減り、高齢化は確実に進む

国立社会保障・人口問題研究所の推計をもとにした分析によると、松山市の人口は2023年時点で約50万人ですが、2035年に約47万3千人、2050年には約42万2千人まで減少し、約30年で15〜17%程度の減少が見込まれています。

高齢化率(65歳以上の割合)は2020年時点で28.5%ですが、2050年には39.7%に達し、市民の約4割が高齢者という構造になります。生産年齢人口の比率は50.5%まで下がると予測され、「働き手1:高齢者0.8人」前後のバランスになるイメージです。

正直なところ、この数字を見ると、「自治会や町内会を今のボリュームで運営し続ける」のは、相当しんどい未来像です。

実体験①:回覧板にずっと同じ名前が並ぶ違和感

数年前、知人の住む松山市内の団地で、回覧板を見せてもらったことがあります。裏表紙に役員一覧が貼ってあり、そこに同じ名字がずらっと並んでいた。「班長」「会計」「防災担当」…どの役にも、70代以上と思われる方の名前。

「若い世代もいるんだけど、仕事が忙しくてね」と、その方は笑いながら言っていましたが、表情の端に、少しだけ疲れがにじんでいました。紙の一覧表の中に、見えないため息が挟まっている感じ。あの瞬間、高齢化率という数字が“顔”を持って迫ってきたのを覚えています。

「地域コミュニティの自立」が市の大きなテーマになっている

松山市は「地域コミュニティの自立を目指して」という報告書の中で、少子高齢化・地域の人間関係の希薄化により、自治会や住民組織が担ってきた役割の負担が重くなっていることをはっきり書いています。

  • 高齢者や子育て家庭への支援。
  • 防災・防犯・教育・環境保全。
  • 地域の祭り・イベント・サロン活動。

こうした分野で地域コミュニティに期待される役割が増えている一方で、担い手は高齢化し、役員のなり手不足も進行している、というのが現状認識です。

また、地域福祉計画でも、地域住民が支え合う仕組みと、専門職や行政が支える仕組みを組み合わせた「地域包括ケア」「地域共生社会」を目指す方針が繰り返し示されています。実は、市の文章を読むと、「地域だけで何とかしてほしい」とは言っておらず、「地域だけでは抱えきれない」前提に立っていることが分かります。

離島・周辺部では、コミュニティ崩壊への危機感が現実味を帯びている

中島地区の第2次まちづくり計画では、「中島地区は、過疎化・少子高齢化が急速に進み、地域コミュニティの崩壊が懸念されるなど、非常に厳しい状況にある」と明記されています。

  • 子どもの数が減り、学校や子ども会の維持が難しくなる。
  • 高齢化で、お祭りや行事、防災訓練の担い手が不足する。
  • 島外への通勤・通学も増え、日中の人手が薄くなる。

こうした課題に対応するために、住民同士の支え合い・他地域との交流・ICTの活用などが位置付けられています。

正直なところ、「崩壊」という単語が市の計画書に出てくるのは、かなり重いメッセージです。それだけ、現場の危機感が強いということでもあります。

現場の課題と、よくある“つまずき方”

担い手不足:「誰も手を挙げない夜」の沈黙

松山市と連携してコミュニティDXを進める事業者のレポートでは、「回覧板が止まる」「自治会役員の高齢化」「ご近所付き合いの希薄化」が、典型的な課題として挙げられています。

よくあるのが、

  • 役員決めの集まりで、沈黙が長く続く。
  • 同じ人が何年も役を続けている。
  • 新しく引っ越してきた家庭に、声はかけにくい。

という状況です。

現場の声①:「正直、もう限界なんよね」

ある町内会の会長さん(70代)と話したとき、「正直なところ、もう限界なんよね」という一言が印象的でした。

「回覧板の配布、行事の準備、防災訓練、公民館の管理…“普通に暮らす”以外の仕事がどんどん増えてきてね。若い人に頼みたいけど、仕事や子育てで忙しいのも分かるから、強くも言えんのよ」と、少し申し訳なさそうに笑う。

その笑顔の奥にある、「でも、このままじゃ回らなくなる」という焦り。実は、こうした声は松山市だけでなく全国共通ですが、松山市の高齢化のスピードを考えると、じわじわと限界に近づいている空気は確かにあります。

支援ニーズの複雑化:「誰に相談したらいいのか分からない」

松山市は「重層的支援体制整備事業」の説明で、「少子高齢化や地域コミュニティでの人間関係の希薄化が進む中、介護・障がい・子育て・生活困窮など複数の課題が絡み合い、支援が必要な人ほど“相談先が分からない”状況になっている」と指摘しています。

  • 一人暮らし高齢者の生活不安。
  • ひきこもりやヤングケアラーを抱える家庭。
  • 経済的に余裕がなく、支援につながりにくい世帯。

こうしたケースで「とりあえず町内会長が話を聞く」構図は、もはや無理があります。だからこそ、市は地域包括支援センターや相談窓口を「地域の中核」として位置づけ、専門職と地域住民の役割分担を明確にしようとしています。

よくあるのが、「全部を地域でなんとかしようとして、結局誰も支えきれなくなる」パターンです。

デジタル化のギャップ:「LINEに乗れない層」とどうつながるか

松山市は、町内会・自治会のデジタル化にも取り組んでおり、「回覧板が止まる」「紙の配布が負担」という課題から、アプリやオンライン掲示板を活用した情報共有の実証も進めています。

実は、僕自身もオンライン回覧板のテスト版を触ったことがあります。スマホでポンと確認できるのは気楽で、「これは若い層には刺さるな」と感じました。一方で、「ガラケーの高齢者」「スマホは持っているけれどアプリを使いこなせない人」にどう届けるか、という別の壁が見えてきます。

ケースによりますが、「デジタルだけ」「紙だけ」ではなく、“二重運用をどう負担なく回すか”という視点がないと、どこかがしんどくなります。ここも、よくつまずくポイントの一つです。

地域コミュニティを“細く長く”残すためにできること

戦略1:守る活動をあえて「3つ」に絞る

松山市の地域コミュニティに関する提言では、地域コミュニティが担う役割として、防災・防犯・高齢者見守り・子育て支援・環境美化・交流イベントなど、多数の項目が並んでいます。ただ、これを全部同じ熱量で続けるのは現実的ではありません。

そこでおすすめなのが、「うちの地域で守る活動ベスト3」を決めてしまうことです。

  • 1位:防災訓練と安否確認。
  • 2位:高齢者・子どもの見守り。
  • 3位:年1回の祭り・イベント。

例えばこんな形で、「これだけは続ける」「それ以外は縮小や休止も検討する」と決めるだけで、担い手の心理的負担はかなり変わります。国や市の計画も、「多様な活動の中から、地域の実情に合ったものを選び取る」ことを前提にしています。

実体験②:イベントを半分やめて、ようやく笑顔が戻った話

ある地域で、毎年7つの行事をやっていた自治会が、総会で「年3つに減らす」決断をしたことがあります。最初は「伝統が途切れる」と反対もありましたが、年配の役員さんが「実は、ここ数年ずっと身体がきつかった」と本音を漏らしたことで、空気が変わりました。

行事を絞った最初の年、準備会の空気が明らかに柔らかくなったんです。「今回の盆踊りは、力を入れてやろう」という一体感も戻ってきた。正直なところ、「頑張れば全部続けられる」は幻想です。

戦略2:公的支援と“役割分担”を前提にする

松山市には、市内全域をカバーする地域包括支援センターが設置されており、基幹型1カ所と、各エリアを担当するセンターが合計十数カ所配置されています。

  • 湯築・桑原・道後エリア。
  • 石井・浮穴・久谷エリア。
  • 北条・三津浜・中島など、周辺・島しょ部。

それぞれのセンターが、高齢者の相談、介護予防、権利擁護、地域ケア会議などを担い、「地域の困りごと」の玄関口として機能しています。

松山市の重層的支援体制事業でも、「地域だけで抱え込まず、専門職と連携しながら支え合うこと」が強調されています。正直なところ、「全部、町内会で見ようとしない」ことが、むしろコミュニティを長持ちさせるコツです。

戦略3:デジタルを“便利なところだけ”使う

松山市と民間事業者の取り組みでは、「回覧板が止まる」「役員の負担が重い」という課題に対し、アプリやLINEを使った情報共有の実証が進められています。

よくあるのが、デジタル化=全部アプリに置き換える、という極端な発想です。ケースによりますが、

  • 行事の案内や出欠確認だけをオンライン化する。
  • 回覧板の本文はアプリ、要返信のものだけ紙も併用する。
  • 若い世帯向けにはLINEオープンチャットで情報共有する。

といった、「負担が大きい部分だけ切り出してデジタルに任せる」くらいのバランスが現実的です。

正直なところ、松山市のように高齢化率が上がっていく街では、「全員がスマホで完結」は当面難しいです。それでも、「一部でもデジタルで回る」ようにしておくと、若い担い手が参加しやすくなります。

よくある質問

Q1. 松山市の高齢化率は、どのくらいまで上がる見込みですか?

A1. 2020年時点で28.5%ですが、2050年には39.7%まで上昇すると推計されており、市民の約4割が65歳以上になる見通しです。

Q2. 地域コミュニティは、本当に維持が難しくなるのでしょうか?

A2. 市の計画や提言でも、少子高齢化と担い手不足により、従来の形のままでは維持が難しいと明記されています。形を変えながら縮小・再編していくことが前提になりつつあります。

Q3. 松山市には、地域の相談に乗ってくれる公的窓口はありますか?

A3. 市内には基幹型を含む地域包括支援センターが複数設置されており、高齢者支援や地域ケアに関する相談を受け付けています。重層的支援体制整備事業も始まっており、複雑な課題を抱える世帯の相談先として位置付けられています。

Q4. 町内会や自治会に入らない人が増えると、何が起きますか?

A4. 防災訓練や安否確認、見守りや行事運営の担い手が減り、結果として「地域で助け合える範囲」が狭くなります。特に災害時には、名簿や連絡網が整っている地域ほど被害が小さいというデータもあり、負担軽減と参加促進の両立が重要です。

Q5. 自治会役員を断り続けるのは、やはり良くないでしょうか?

A5. ケースによりますが、役員のなり手不足が続くと、行事や防災機能を縮小せざるを得なくなり、長期的には自分や家族の安全にも跳ね返ってきます。どうしても難しい場合は、「できる範囲の役割」や「短期間だけ」の関わり方を提案するのがおすすめです。

Q6. デジタル化に乗れない高齢者が多い地域でも、DXは意味がありますか?

A6. すべてをオンライン化するのではなく、「若い世代とのやりとり」や「情報の一次配布」をデジタルに任せるだけでも、役員の負担軽減につながります。紙との併用前提で設計することがポイントです。

Q7. 具体的に、今何から始めればいいですか?

A7. まずは、自治会・町内会で「何を守るかベスト3」を話し合い、活動の優先順位と頻度を決めることです。次に、地域包括支援センターの連絡先を共有し、「地域で抱えすぎない」ラインを確認しておくと、10年後の負担が変わります。

まとめ

松山市は、今後約30年で人口が15〜17%減少し、高齢化率は約40%に達する見込みで、地域コミュニティの担い手不足と負担増は避けられないテーマになっています。

市は「地域コミュニティの自立」や「地域福祉の推進」「重層的支援体制」を打ち出し、自治会・町内会だけでなく、地域包括支援センターなど専門職との連携を前提にした支え合いモデルへの移行を進めています。

よくある失敗は、「全部を昔のまま続けようとして、担い手が燃え尽きる」ことです。守る活動をあえて絞り、公的支援と役割を分担し、デジタルを“便利なところだけ”使うことで、コミュニティを細く長く残す選択肢が見えてきます。

こういう人は今すぐ相談すべきです。自治会・町内会の役員、民生委員、サロンや子ども食堂など地域活動の中心にいる方は、一度地域包括支援センターや市の担当課に連絡を取り、「今後10年の見通し」を一緒に描いてもらうと良いタイミングです。

この状態ならまだ間に合うと言えるのは、「役員のなり手が完全に途切れる前」、つまり「毎年ギリギリ回っている」今の段階です。迷っているなら、「自分たちが10年後も続けたい活動ベスト3」を紙に書き出し、次の会合で話題にするところから始めるのがおすすめです。

中野たいせいの想い

中野たいせいは、松山で暮らす一人ひとりの声に耳を傾け、 子育て、福祉、防災、交通、地域経済など、生活に直結する課題に向き合っています。

「松山をもう一度元気にしたい」。 その想いの原点や、まちづくり・防災・生活密着型政策への考え方を、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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