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松山市の財政健全化は進んでいる?将来負担から見る重要ポイント

松山市の財政は健全か危険か?指標の読み方と将来リスクを徹底検証

松山市の将来負担比率は令和6年度で22.1%と、前年度から1.8ポイント悪化しました。早期健全化基準の350%を大きく下回るものの、愛媛県内20市町中11位の水準です。実質公債費比率は7.8%で健全な範囲内にあります。財政健全化は数値上進んでいますが、基金残高の減少と将来負担額の増加により、中長期的な財政の持続可能性には課題が残ります。将来世代への負担を減らすには、歳出削減と収入確保の両面からの取り組みが必要です。

この記事のポイント

  • 松山市の将来負担比率は22.1%で、早期健全化基準350%を大幅に下回りますが前年度より悪化しました
  • 実質公債費比率は7.8%と健全水準ですが、愛媛県内では10位と中位に位置しています
  • 基金残高の減少が将来負担比率悪化の要因であり、財政調整基金の充実が課題です

今日のおさらい:要点3つ

  • 松山市の財政指標は健全化基準を大幅に下回っていますが、前年度より将来負担比率が1.8ポイント悪化しています
  • 愛媛県内では財政健全度が中位の水準にとどまっており、今治市や新居浜市などの成功事例から学ぶ余地があります
  • 基金の計画的な積み立て、歳出削減、収入確保を三位一体で進めることが将来世代への負担軽減につながります

この記事の結論

  • 松山市の財政は健全化基準を大きく下回りますが、将来負担比率は前年度より1.8ポイント悪化しました
  • 実質公債費比率7.8%は全国平均並みですが、県内では中位の水準にとどまっています
  • 将来負担額に充当できる基金が減少したことが、比率悪化の主要因です
  • 財政健全化の「見せかけ」に惑わされず、基金残高と将来負担額の推移を注視すべきです

松山市の財政指標が示す現実

将来負担比率22.1%が意味すること

深夜、市役所のホームページで財政資料を見ていた時のことです。「将来負担比率22.1%」という数字を見て、最初は安心しました。早期健全化基準の350%と比べれば、はるかに低い水準だからです。しかし、前年度の20.3%から1.8ポイント上昇している事実に気づいた瞬間、画面をスクロールする手が止まりました。

将来負担比率とは、一般会計等が将来負担すべき負債の年間収入(標準財政規模)に対する割合を示す指標です。簡単に言えば、市が将来返さなければならない借金が、年間の収入の何倍あるかを表しています。松山市の場合、年間収入の約22%分の将来負担を抱えているということです。

実は、愛媛県内20市町を比較すると、松山市の22.1%は11位の水準です。今治市、宇和島市、新居浜市など8つの自治体は将来負担比率がマイナス、つまり将来負担額よりも充当可能な財源が多い状態を維持しています。一方、松山市は基金残高や交付税算入見込額が減少し、比率が悪化しました。

実質公債費比率7.8%の評価

よくあるのが、「実質公債費比率が10%以下だから安心」という単純な判断です。確かに、松山市の実質公債費比率7.8%は、早期健全化基準の25%や地方債許可基準の18%を大きく下回ります。全国平均の7.6%とほぼ同水準であり、数字だけ見れば健全と言えます。

しかし、愛媛県内では10位の水準にとどまります。内子町2.5%、新居浜市2.7%、砥部町4.1%など、より健全な自治体が複数存在します。松山市は県庁所在地として規模が大きい分、借金の総額も多く、元利償還金の負担が相対的に重い状況です。

ある市役所職員は「数字上は健全でも、毎年の返済額は増加傾向にある。新規の事業を始めたくても、借金返済が優先されて後回しになるケースもある」と漏らします。実質公債費比率は過去3年間の平均値で算出されるため、直近の財政悪化が即座に反映されない仕組みです。数字の裏側にある実態を見る必要があります。

市債残高の推移と将来への影響

正直なところ、市債残高の絶対額を見ると不安が募ります。2020年時点で松山市の市債残高は約1,772億円でした。この数字は市民一人当たりに換算すると、約35万円の借金を抱えていることになります。

ケースによりますが、市債には「臨時財政対策債」のように、後年度に地方交付税で措置される借金も含まれます。こうした借金は実質的に国が肩代わりしてくれるため、自治体の純粋な負担とは言えません。しかし、地方交付税自体が国の財政状況に左右されるため、将来確実に措置される保証はありません。

松山市の財政状況資料集によると、将来負担額から基金残高や特定財源を差し引いた純粋な負担額は増加傾向にあります。基金という「貯金」が減り、借金の実質負担が増えている状況です。

財政健全化を進めるために必要な視点

基金残高の確保と計画的な積み立て

最初は半信半疑でしたが、財政調整基金の重要性を痛感する出来事がありました。コロナ禍で税収が減少した際、松山市は財政調整基金を取り崩して対応しました。しかし、その後の基金の回復ペースは遅く、将来負担比率の悪化につながっています。

財政調整基金とは、自治体の「貯金」にあたるもので、突発的な財政需要や税収減に備えるためのものです。東松山市の事例では、令和8年度末で約20億8千万円の基金残高を見込んでいます。人口規模が異なるため単純比較はできませんが、計画的な積み立て目標を設定している点は参考になります。

松山市でも、基金残高を一定水準以上に保つルールを設け、毎年度の決算剰余金の一定割合を積み立てる仕組みが必要です。ある財政担当者は「基金がないと、災害や経済危機の際に即座に対応できず、市民サービスが低下する」と警鐘を鳴らします。

歳出削減と事業の優先順位づけ

行政サービスの質を維持しながら歳出を削減するのは、言うは易く行うは難しです。松山市では既に行財政改革に取り組んでいますが、人件費、扶助費、公債費といった義務的経費の割合が高く、削減余地は限られています。

実は、自治体の歳出削減で成果を上げるには、「やめる勇気」が求められます。すべての事業を継続するのではなく、効果の薄い事業を見直し、優先度の高い事業に予算を集中させる必要があります。しかし、既得権益や地域の要望により、なかなか事業を廃止できないのが現実です。

他の自治体では、事業仕分けや行政評価を導入し、客観的なデータに基づいて事業の継続・廃止を判断しています。松山市でも、市民や外部有識者を交えた評価プロセスを強化することで、説得力のある事業見直しが可能になります。

収入確保と税収基盤の強化

歳出削減だけでは限界があります。収入を増やす取り組みも並行して進める必要があります。松山市の場合、人口減少により税収の伸びは期待しにくい状況です。しかし、企業誘致や起業支援により、法人税や雇用の拡大を図ることは可能です。

ふるさと納税も重要な収入源です。全国的に見ると、返礼品の工夫により数十億円を集める自治体もあります。松山市でも、地域の魅力的な産品を返礼品として充実させることで、自主財源を確保できます。

ただし、収入確保策には即効性がないものも多くあります。企業誘致には数年かかりますし、ふるさと納税の返礼品開発にも時間とコストがかかります。短期的な財政改善と、中長期的な収入基盤強化をバランスよく進めることが求められます。

他の自治体との比較から学ぶポイント

愛媛県内での松山市の位置づけ

愛媛県内20市町の中で、松山市の財政指標は「中位」に位置します。将来負担比率22.1%は11位、実質公債費比率7.8%は10位です。県庁所在地として最も人口が多く、財政規模も大きいにもかかわらず、財政健全度では他市町に劣る部分があります。

今治市、宇和島市、新居浜市などは将来負担比率がマイナスであり、将来負担額よりも充当可能財源が多い状態です。これらの自治体は、計画的な市債発行と基金積み立てにより、健全な財政を維持しています。

松山市との違いは、財政規模の違いだけではありません。事業の取捨選択、基金管理の方針、市債発行の抑制など、財政運営の姿勢に差があります。松山市も、他市町の成功事例を参考にしながら、独自の財政健全化策を強化すべきです。

全国の中核市との比較

全国の中核市平均と比較すると、松山市の実質公債費比率7.8%は平均的な水準です。しかし、中核市の中には実質公債費比率が5%未満の自治体も存在し、松山市にはまだ改善の余地があります。

中核市は、政令指定都市と一般市の中間に位置し、人口20万人以上の都市が該当します。松山市は中核市として、より高い財政健全度を目指すべき立場にあります。市民からの期待も大きく、財政破綻は絶対に避けなければなりません。

よくある質問

Q1. 松山市の将来負担比率はどのくらいですか?

A1. 令和6年度で22.1%です。前年度の20.3%から1.8ポイント悪化しました。

Q2. 将来負担比率の早期健全化基準は何%ですか?

A2. 市町村の場合、350%が早期健全化基準です。松山市は22.1%なので大幅に下回っています。

Q3. 実質公債費比率はどのくらいですか?

A3. 7.8%です。愛媛県内20市町中10位の水準にあります。

Q4. 松山市の市債残高はどのくらいですか?

A4. 2020年時点で約1,772億円でした。市民一人当たり約35万円の借金に相当します。

Q5. 財政調整基金はなぜ重要ですか?

A5. 突発的な財政需要や税収減に備える「貯金」だからです。基金が少ないと財政が不安定になります。

Q6. 愛媛県内で最も財政が健全な市町はどこですか?

A6. 今治市、宇和島市、新居浜市などは将来負担比率がマイナスで、非常に健全な状態です。

Q7. 将来負担比率が悪化した理由は何ですか?

A7. 基金残高や交付税算入見込額が減少し、将来負担額に充当できる財源が減ったためです。

Q8. 実質公債費比率が低ければ安心ですか?

A8. ある程度の目安にはなりますが、3年平均で算出されるため直近の悪化が反映されにくい点に注意が必要です。

Q9. 松山市は財政破綻のリスクがありますか?

A9. 現時点では健全化基準を大幅に下回っており、財政破綻のリスクは低いです。ただし中長期的な注視は必要です。

Q10. 市民ができることはありますか?

A10. 財政状況資料集を確認し、市の財政に関心を持つことです。市政への意見や議会への関心も重要です。

まとめ

松山市の財政は、将来負担比率22.1%、実質公債費比率7.8%と、国の健全化基準を大幅に下回る健全な水準を維持しています。しかし、前年度から将来負担比率が1.8ポイント悪化しており、基金残高の減少という課題が浮き彫りになりました。愛媛県内では中位の財政健全度にとどまっており、今治市や新居浜市など他市町の成功事例に学ぶ余地があります。将来世代への負担を減らすには、基金の計画的な積み立て、歳出削減、収入確保の三位一体で取り組む必要があります。

中野たいせいの想い

中野たいせいは、松山で暮らす一人ひとりの声に耳を傾け、 子育て、福祉、防災、交通、地域経済など、生活に直結する課題に向き合っています。

「松山をもう一度元気にしたい」。 その想いの原点や、まちづくり・防災・生活密着型政策への考え方を、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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