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松山市の学校統廃合は避けられない?人口減少時代の教育課題を考える

松山市の学校統廃合で何が変わる?子どもの学習環境への影響を解説

【この記事のポイント】

  • 松山市は、児童生徒数の長期的な減少を前提に、小中学校・幼稚園の延床面積を25%削減する目標を設定しています。
  • 統廃合は「財政のため」だけではなく、「極端な小規模校・大規模校の偏りを減らし、教育環境を整える」狙いもあります。
  • 正直なところ、一番影響を受けるのは「通学距離・友達関係・地域コミュニティ」で、デメリットもあれば、教育面・施設整備面のメリットも存在します。

今日のおさらい:要点3つ

  • 顕在ニーズ:松山市の学校統廃合は本当に避けられないのか、どのくらい進むのかを知りたいということです。
  • 潜在ニーズ:自分の子どもの学習環境や通学、安全面はどう変わるのかが気になるということです。
  • 行動ニーズ:保護者や地域として、どのタイミングで何を確認・相談しておくべきかを把握したいということです。

この記事の結論

一言で言うと、「松山市の学校統廃合は長期的には進みますが、“雑な一斉リストラ”ではなく、学習環境の質と財政のバランスを取りながら進める方向」です。

最も重要なのは、「学校数」だけを見るのではなく、「1校あたりの児童生徒数・施設の老朽化・通学距離」の3点セットで判断することです。

失敗しないためには、「うちの地域はどうなるのか?」を早い段階で情報を取りに行き、説明会やパブコメのタイミングで具体的な不安を言葉にして伝えることです。

なぜ学校統廃合の話が出てくるのか

児童生徒数が50年で半分になる前提

松山市学校施設等長寿命化計画によると、2015年時点で約3万9,338人いた児童生徒は、2020年以降減少が続き、2070年には約1万7,322人まで減ると推計されています。減少率は2020年を100とした場合、2070年で約53.4%減という数字です。

同じ期間で学級数も1,302クラスから756クラスへ、約41.9%減少すると見込まれています。「クラスが減る=教室が余っていく」わけで、余剰教室や小規模校が増える一方、維持管理コストは建物の規模に比例してかかるという構図です。

正直なところ、このグラフを見た瞬間、「どこかで必ず学校の数自体を見直すフェーズが来る」と理解せざるを得ませんでした。

実体験①:学区内の小学校が“スカスカ”になっていく感覚

僕自身、別の都市ですが、子どもの通う小学校の在校生数が10年で3分の2くらいになっていくのをリアルタイムで見ました。入学式で体育館に並ぶ1年生の列が、年を追うごとに短くなる。運動会も、紅白リレーの選手が学年でギリギリ。

そのとき、「クラスが少ない=先生の目が届きやすくてラッキー」と楽観的に考えていた時期もあります。ただ、教室は余っているのに空調やトイレ、耐震の維持費は変わらない現実をPTAの説明会で聞かされたとき、静かに背筋が冷えました。「このまま全部を残したら、どこかでツケが来るな」と。

学校施設そのものが老朽化のピークを迎えつつある

松山市の小中学校・幼稚園87校348棟のうち、延床面積ベースで見ると築30年以上の建物が約60%を占めています。優先的に改修が必要な健全度60点未満の棟は44棟、予防保全的な老朽化対策が必要な部位(評価C)がある棟は112棟、早急に対応すべき部位(評価D)がある棟も23棟あるとされています。

従来型の「壊れたら直す」方式で50年維持した場合のコストは約3,200億円(年平均64億円)ですが、長寿命化(予防保全)を徹底すると約2,575億円(年平均51.5億円)まで抑えられると試算されています。とはいえ、この規模の投資を児童生徒数が半分になる中で続けるのは、かなりの負担です。

実は、ここで「施設保有量の適正化」、つまり学校数や延床面積の削減がセットで語られているのがポイントです。

松山市自身が「25%削減」を明記している

長寿命化計画では、上位計画である「公共施設等総合管理計画」と「公共施設再編成計画」を踏まえ、小中学校・幼稚園の延床面積638,607㎡を50年間で25%削減する目標を設定しています。

  • 小学校:391,749㎡ → 25%削減で97,937㎡減
  • 中学校:242,689㎡ → 25%削減で60,672㎡減
  • 幼稚園:4,169㎡ → 25%削減で1,042㎡減

と、かなり具体的な数字が並んでいます。削減方法としては、休校校舎の解体、児童生徒数減少に合わせた適正規模更新、200㎡前後の小規模建物の統合集約、他公共施設との複合化などが挙げられ、「目立つ“廃校ニュース”」だけではない形も含んだ見直しです。

「統廃合は避けられるのか?」という問いに対して、市の文書を素直に読む限り、「規模や形はケースによりますが、全体としての縮小は避けない」というのが正直な答えです。

統廃合で子どもの学習環境はどう変わるのか

メリット:教育内容・設備面での「厚み」が増すケース

よくある心配は、「学校が減ったら、子どもの負担が増えるのでは」というものです。ただ、教育委員会や文科省が「適正規模・適正配置」を強調する背景には、教育面でのメリットもあります。

  • 学級数が増えることで、切磋琢磨できる友達が増える。
  • 教員配置が厚くなり、専科教員や支援員が入りやすくなる。
  • 新校舎・改築校ではICT環境・バリアフリー・空調・トイレが整った“今の基準”の校舎になる。

松山市も、長寿命化改修と合わせて、トイレの洋式化率を2019年度の49.5%から2035年度には90%程度まで引き上げる目標を掲げており、乾式トイレ比率も同様に向上させるとしています。さらに、空調は既に全校100%設置済み、LED照明やバリアフリー化も2030年代に向けて段階的に整備する方針です。

現場事例①:統合後に「授業の選択肢が増えた」ケース

これは他市の話ですが、小規模校同士が統合して中規模校になったとき、子どもが「部活の選択肢が増えた」「算数だけ少人数グループに分けて見てもらえるようになった」と少し誇らしげに話してくれたことがあります。

親としては校舎が遠くなった不便さも感じながら、「この子たちの世代には、もう少し厚みのある教育環境の方がいいのかもしれない」と、心のどこかで納得している自分がいました。正直なところ、完全な“正解”はないのですが、「一人あたりにかける教育リソース」の観点で見ると、統合がプラスに働く場面は確かにあります。

デメリット:通学距離・地域コミュニティへの影響

一方で、デメリットはかなり現実的です。

  • 通学距離が伸びる(徒歩20〜30分がバス通学になるなど)。
  • 兄弟で通学時間帯が変わり、家庭の送り迎え負担が増える。
  • 学校が地域の集会・祭りの拠点だった場合、「地域の顔」が一つ減る。

松山市の長寿命化計画でも、小学校区・中学校区ごとの人口密度の変化を示しながら、「中心部に人口が残り、周辺部では0〜9人/haのエリアが増えていく」と分析しています。こうなると、周辺部ではどうしても小規模校が増え、通学距離とスクールバスの問題が避けて通れません。

よくあるのが、「学力や設備は良くなったけれど、地域の祭りや行事の雰囲気が変わってしまった」という声です。ケースによりますが、「教育」と「地域コミュニティ」をどう両立させるかが、統廃合の一番難しいポイントです。

「例外」もある:すぐに統廃合されないパターン

実は、松山市の長寿命化計画では、公民館について「各地域の社会教育の拠点施設であるため、統廃合は実施しない」と明記されており、小中学校についても「児童生徒数の減少を踏まえつつ、適正規模で更新」「複合化の検討」など、柔らかい表現が多く使われています。

  • 将来的に人口が増える可能性がある新興住宅地。
  • 島しょ部や山間部など、地域の拠点として学校が機能しているエリア。
  • 特別支援学級や地域連携の拠点として役割が大きい学校。

こうした場所では、「統合」よりも「複合化」や「コミュニティスクール化」といった別の打ち手が優先されるケースもあります。統廃合=一律に減らす、ではなく、「場所によっては残す・形を変える」というグラデーションが現実に近いです。

保護者・地域としてどう動けばいいか

こういう人は今すぐ情報を取りに行くべき

  • 子どもの通う学校が築30年以上で、すでに大規模改修の話が出ている方。
  • 学区内の児童数がここ数年で目に見えて減っている方。
  • PTAや自治会で、学校の将来について「検討中」「ヒアリング中」という言葉を耳にした方。

この場合は、「松山市学校施設等長寿命化計画」と、「松山市公共施設再編成計画」を一度ざっと確認しておくことをおすすめします。正直なところ、新聞やニュースになるのは「方針が決まった後」です。それまでの数年間に、審議会や委員会、パブリックコメントなど、静かに水面下で議論が進んでいます。ここにどれだけ早くアクセスできるかで、納得度が変わります。

実体験②:説明会に1回だけ出たことで、見え方が180度変わった

以前、別の自治体で「学校統合」の説明会に参加したことがあります。会場に入る前は、「どうせ財政の話ばかりでしょ」と半分構えていたのですが、実際には

  • 各学年の見込み児童数の推移。
  • 現校舎の耐震・老朽化の状況。
  • 統合後の教室数・特別教室の配置図。

が、かなり具体的な図と数字で示されました。

もちろん不安は残りましたが、「どの視点で悩めばいいのか」がはっきりしただけで、家に帰ってから夫婦で話しやすくなったのを覚えています。正直なところ、資料をネットで眺めているだけでは得られなかった感覚です。

「この状態ならまだ間に合う」タイミング

  • まだ具体的な学校名や統合時期が示されていない。
  • 「長寿命化改修」の話だけが出ていて、「統合」という言葉が正式文書には出ていない。
  • 学区再編や通学区域の見直しが“検討中”レベルで語られている。

この段階なら、PTAや地域会合の場で、

  • 通学距離の上限をどう考えるか。
  • スクールバスや見守り体制をどうするか。
  • 統合後の校名や校風、地域行事の継承をどうするか。

といった、「具体的に心配なポイント」を整理しておくことで、後の協議に反映される余地があります。文科省や他市の事例を見ても、こうした“事前の声”が反映されるかどうかで、統合後の満足度はかなり違います。

迷っているなら、こう考えるのがおすすめ

  • 「今のままの近い学校」と、「少し遠いけれど設備と先生が充実した学校」、どちらに通わせたいか。
  • 「子どもの6年間」と、「地域全体の30〜40年の財政と教育環境」、どちらの時間軸を重く見るか。
  • 「名前」や「校歌」への愛着と、「通わせやすさ」「学びやすさ」、どこまで譲れるか。

ケースによりますが、個人的には「通学距離が著しく伸びない範囲なら、教育環境と安全性を優先する」のが一つの目安だと感じています。その一方で、実は「歩いて通える学校」が子どもの生活リズムや地域とのつながりに与える影響も大きく、ここは家庭ごとの価値観が色濃く出る部分です。

よくある質問

Q1. 松山市の学校統廃合は、いつから本格的に始まるのですか?

A1. 長寿命化計画の期間は2020年度から50年間で、2040〜2060年代にかけて本格的な更新・削減が進む設計です。ただし、個々の学校については劣化状況や児童数の推移を見ながら順次判断されます。

Q2. どの学校が統廃合の対象になるか、もう決まっているのでしょうか?

A2. 現時点の長寿命化計画は「仕組みと方向性」を示すもので、具体的な学校名までは書かれていません。児童生徒数・学級数の推移や施設の健全度を見ながら、別途の審議や計画で決まっていきます。

Q3. 統廃合は「お金のため」だけですか?

A3. 財政負担の軽減は大きな理由ですが、極端な小規模校・大規模校の偏りを是正し、子どもたちの学習環境の均質化を図るという教育的な目的も重視されています。

Q4. 子どもの通学時間は、どのくらいまでが許容範囲とされているのですか?

A4. 国の基準では「おおむね片道4km以内」などの目安がありますが、実際には地形や道路事情、安全性を踏まえて自治体ごとに判断されます。松山市も、学区別人口分布や道路状況を踏まえて配置を検討する前提です。

Q5. 統合後の新校舎は、本当に今より良くなるのでしょうか?

A5. 長寿命化計画では、トイレの洋式化率を2035年度に90%程度まで高め、乾式トイレ率も99%まで引き上げる目標が示されています。また、空調やLED照明、バリアフリー設備の整備も進める方針で、「教育施設としての質」は基本的に向上する方向です。

Q6. 地域の意見は、どの程度反映されるのですか?

A6. 他市の適正規模方針では、審議会・説明会・パブリックコメントなどを通じて意見を聞き、最終方針を決定すると明記されています。松山市も、長寿命化計画を5年ごとに見直す中で、児童数・地域の状況を踏まえて調整する仕組みを取っています。

Q7. 保護者として、今具体的に何をしておけばいいですか?

A7. まず、子どもの通う学校の築年数と、長寿命化計画上の位置づけ(改修優先度や地区人口の推移)を把握することです。その上で、PTAや地域の会合で「通学距離」「スクールバス」「地域行事の継承」など、譲れないポイントを整理しておくと、今後の協議に備えやすくなります。

まとめ

松山市では、児童生徒数が今後50年で約53%減、学級数も約42%減という長期的な人口減少を前提に、学校施設の延床面積を25%削減する目標を掲げています。

学校施設は昭和40〜50年代に建てられた校舎が多く、築30年以上の建物が6割を超え、老朽化が進行しているため、長寿命化と統廃合を組み合わせて「安全・教育環境・財政」のバランスを取る段階に入っています。

統廃合は通学距離や地域コミュニティへの影響というデメリットがある一方で、教育内容・設備の充実、トイレやバリアフリーなどの環境改善というメリットもあり、「どこに重心を置くか」が家庭と地域の大きな判断ポイントになります。

こういう人は今すぐ相談すべきです。小学生・中学生の保護者で「学校の将来が少しでも気になっている方」、そして自治会・PTAの役員を務めている方です。学習施設課や教育委員会に、説明会や計画の情報を一度問い合わせてみるだけでも、見える景色が変わります。

この状態ならまだ間に合うと言えるのは、「統合校名や統合時期が決まる前」の今のタイミングです。迷っているなら、「自分の子どもの6年間にとって何が一番大事か」を紙に書き出し、その視点から質問や要望を整理しておくのがおすすめです。

中野たいせいの想い

中野たいせいは、松山で暮らす一人ひとりの声に耳を傾け、 子育て、福祉、防災、交通、地域経済など、生活に直結する課題に向き合っています。

「松山をもう一度元気にしたい」。 その想いの原点や、まちづくり・防災・生活密着型政策への考え方を、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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