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松山市で商店街活性化は可能?人が集まる街に必要な再生戦略とは
松山市の商店街を再生するには?空洞化を防ぐための仕組みを解説
松山市の大街道・銀天街は空き店舗率が20%前後と高水準が続いています。2024年1月のピーク時は21.8%を記録し、全国平均の約8%を大きく上回る状況です。商店街再生には金銭的支援だけでなく、地域住民のニーズに応える業種転換と、デジタル技術を活用した集客データの可視化が不可欠です。単発のイベントではなく、持続可能な商店街エコシステムの構築が求められています。
この記事のポイント
- 松山市中心部の商店街は営業店舗数が10年で47店舗減少し、300店を下回りました
- 物販比率が40.5%に低下し、飲食・サービス業への業種転換が進んでいます
- デジタル化やキャッシュレス決済導入など先進的な取り組みはありますが、定住人口減少という根本課題は未解決です
今日のおさらい:要点3つ
- 松山市の商店街は空き店舗率20%前後が続いており、商店街機能の低下が深刻な状況です
- デジタル化や新規出店プロジェクトなど先進的な取り組みは進んでいますが、効果を最大化するにはPDCAサイクルが欠かせません
- 持続可能な商店街再生のカギは、地域住民の定住促進と若年層の呼び込みにあります
この記事の結論
- 松山市の商店街は空き店舗率20%前後が続き、商店街機能の低下が著しい状況です
- 物販店舗の減少と飲食・サービス業への転換により、商店街本来の機能が失われつつあります
- AIカメラによる人流測定やキャッシュレス決済など先進的な取り組みは進んでいますが、効果測定が不十分です
- 活性化の成否は、地域住民の定住促進と若年層の呼び込みにかかっています
松山市の商店街が直面している現実
空き店舗率20%が示す深刻な空洞化
深夜、大街道のアーケードを歩くと、シャッターの降りた店舗が目に付きます。いよぎん地域経済研究センターの調査によると、松山市中心部の大街道・銀天街では2020年以降、空き店舗率が20%前後で推移しています。2024年1月には21.8%とピークを記録し、全国の広域型商店街の平均約8%を大きく上回る水準です。
実は、2016年には「アエル松山」のオープンなど新規出店が相次ぎ、一時的に活気が戻ったかに見えました。しかしコロナ禍で状況は一変します。営業店舗数は2025年12月時点で294店舗となり、2016年と比べて47店舗も減少しました。300店舗を下回ったのは、商店街関係者にとって大きなショックだったと言えます。
ある商店主は「10年前は隣の店と営業時間を競い合っていたが、今は誰が閉めても気づかない」と漏らします。この一言に、商店街コミュニティの希薄化が表れています。
物販から飲食・サービスへの業種転換が進む
商店街の本来の機能は「買い物の場」ですが、松山市の中心部ではその姿が変わりつつあります。2025年12月時点で飲食業が84店舗、ネイルサロンやマッサージなどの「ビューティーヘルス業」が41店舗に達し、非物販業の割合は59.5%に上ります。一方で、ファッション衣料業は33店舗と10年前から半減しました。
物販の割合は40.5%にまで低下し、10年前より18.6ポイントも下がっています。この数字が意味するのは、商店街が「日常の買い物の場」から「夜の飲食エリア」へと変容していることです。低価格の居酒屋や深夜営業のマッサージ店が増える一方で、日中に家族連れが買い物を楽しむ光景は減っています。
正直なところ、この変化は商店街にとって致命的です。飲食やサービス業は集客力があるものの、地域住民の日常生活に根ざした「商店街」としての機能を失わせます。結果として、昼間の通行量が減り、商店街全体の回遊性が低下する悪循環に陥っています。
デジタル化の先進事例でも効果は限定的
松山中央商店街は、全国でも先駆けてデジタル化に取り組んできました。株式会社まちづくり松山の代表、加戸慎太郎氏はAIカメラを導入して人流測定を行い、データに基づく販売促進戦略を各店舗に提供しています。また、商店街独自のキャッシュレス決済「まちペイ」を開発し、売上向上に貢献してきました。
ケースによりますが、デジタル化が必ずしも劇的な変化をもたらすわけではありません。長野県の商店街実態調査によると、デジタル通貨を導入した59商店街のうち、最も多いメリットは「新規顧客層の取り込み」(52.5%)でしたが、「客単価が上がった」と回答したのは少数でした。つまり、デジタル化は利便性を高めるものの、売上増に直結するとは限らないということです。
松山市の取り組みは全国的に注目され、視察が絶えない発展を遂げています。しかし、それでも空き店舗率20%という現実は変わっていません。デジタル化は「手段」であって「目的」ではありません。この点を履き違えると、投資だけが先行して成果が伴わない事態に陥ります。
商店街活性化に必要な3つの再生戦略
地域住民の定住人口を増やす仕組みづくり
商店街衰退の根本原因は、定住人口の減少にあります。中心市街地の人口が減れば、日常的な消費活動が縮小し、商店街の客足は遠のきます。松山市の場合、郊外への人口流出が続いており、商店街周辺の居住者数は減少傾向にあります。
よくあるのが、商店街活性化を「観光客誘致」に頼るパターンです。確かにイベントで一時的に人を集めることはできますが、それでは持続可能性がありません。商店街が本当に必要としているのは、毎日買い物に来てくれる地域住民です。
成功事例として、横丁商店街の保存・再生では、商店街周辺の集合住宅開発により定住人口の定着を誘導しました。商店街の北側を第一種住居地域、南側を準工業地域に指定し、住宅と商業のバランスを取る都市計画を実施した結果、住民の日常利用が増えました。松山市でも、中心市街地への居住誘導策が不可欠です。
若年層と後継者を呼び込む魅力的な出店環境
商店街が抱える最大の問題は、経営者の高齢化と後継者不足です。令和3年度の商店街実態調査では、72.7%の商店街が「経営者の高齢化による後継者問題」を最大の課題に挙げています。松山市の中心商店街でも、店主の高齢化が進み、廃業が相次いでいます。
最初は半信半疑でしたが、松山市では2025年に「中央商店街シャッターゼロプロジェクト」が立ち上がり、有志メンバーが空き店舗ゼロを目指して動き始めました。株式会社三福ホールディングスが中央商店街に計5店舗の新規出店を予定するなど、民間企業の参入も始まっています。
ただし、新規出店が成功するかは「出店後のサポート体制」にかかっています。多くの商店街では、出店時の補助金は充実していますが、開業後のフォローが手薄です。結果として、数年で撤退するケースが後を絶ちません。松山市では「ぎんこい市場」のような官民協働の空き店舗対策が進んでおり、出店者同士をつなぐ場づくりが重視されています。
データに基づく効果測定とPDCAサイクルの確立
商店街活性化が失敗する最大の要因は、「前提の誤謬」にあります。「昔うまくいったから、またうまくいくだろう」という経験過信に基づく施策では、環境変化に対応できません。商店街政策は1973年の中小小売商業振興法以来、半世紀にわたって「振興と調整」を掲げてきましたが、期待される成果を挙げられないまま現在に至っています。
松山市の先進事例では、AIカメラによる来街者補足とデータマーケティング環境の構築が進んでいます。しかし、データを取得するだけでは意味がありません。重要なのは、そのデータを基に仮説を立て、施策を実行し、結果を検証するPDCAサイクルを回すことです。
例えば、東京都港区の商店街では、人数カウント付AIカメラを設置し、広報活動の効果測定に活用しています。「どの時間帯に、どの属性の人が多く通行するか」を可視化し、それに合わせた店舗営業時間の調整や、ターゲットを絞った広告展開を行った結果、客単価の向上につながりました。
他の成功事例から学ぶ松山市の商店街再生
全国の商店街活性化事例との比較
全国には、商店街活性化に成功した事例が存在します。群馬県草津市の商店街では、住民向けの定期的なイベントを開催し、新規顧客の獲得と店舗周知に成功しました。また、商店街特有の昔ながらの雰囲気を残すことで、地域住民の愛着を引き出しています。
松山市の場合、大街道・銀天街は歴史あるアーケード街として地域のシンボルでした。しかし、少子高齢化や商業の衰退により元気が失われてきています。この状況を打破するには、観光客向けの一過性のイベントではなく、地域住民に寄り添った施策が必要です。
松山市独自の強みを活かす方法
松山市の強みは、路面電車と郊外電車が中心市街地を結んでいることです。交通アクセスの良さは、商店街にとって大きなアドバンテージになります。この強みを活かし、通勤・通学客の日常利用を促す施策が有効です。
例えば、朝の時間帯にカフェやベーカリーを充実させ、夕方には惣菜店やテイクアウト専門店を増やすことで、「通りすがりの購買」を促すことができます。現在は飲食・サービス業が増えていますが、それを「日常利用」につなげる視点が欠けています。
また、高校生が参加する商店街活性化プログラムも実施されており、若い世代の視点を取り入れる動きがあります。大学教授の助言を受けながら、県外の成功事例を学び、具体的な施策を検討しています。こうした取り組みが、将来的に商店街を支える人材育成につながる可能性があります。
よくある質問
Q1. 松山市の商店街の空き店舗率はどのくらいですか?
A1. 2024年1月時点で21.8%とピークを記録し、2025年も20%前後が続いています。全国平均の約8%を大きく上回る水準です。
Q2. 商店街の営業店舗数はどれくらい減少していますか?
A2. 2025年12月時点で294店舗となり、2016年と比べて47店舗減少しました。
Q3. 松山市の商店街はどのような業種が増えていますか?
A3. 飲食業が84店舗、ビューティーヘルス業が41店舗に達し、非物販業の割合は59.5%に上ります。
Q4. デジタル化の取り組みは効果がありますか?
A4. AIカメラやキャッシュレス決済「まちペイ」を導入していますが、空き店舗率の改善には至っていません。
Q5. 商店街活性化の最大の課題は何ですか?
A5. 経営者の高齢化と後継者不足が最大の課題です。全国の72.7%の商店街がこの問題を抱えています。
Q6. 定住人口を増やす施策はありますか?
A6. 中心市街地への居住誘導策が必要ですが、現状では郊外への人口流出が続いています。
Q7. 新規出店を支援する取り組みはありますか?
A7. 「中央商店街シャッターゼロプロジェクト」が立ち上がり、民間企業の新規出店も始まっています。
Q8. 観光客誘致は商店街活性化に有効ですか?
A8. 一時的な集客は可能ですが、持続可能性がありません。地域住民の日常利用が重要です。
Q9. 商店街活性化で失敗する理由は何ですか?
A9. 「昔うまくいったから、またうまくいくだろう」という経験過信に基づく施策が失敗の原因です。
Q10. データ活用で商店街は再生できますか?
A10. データ取得だけでなく、それを基にPDCAサイクルを回すことが不可欠です。
まとめ
松山市の商店街は、空き店舗率20%前後という深刻な状況にあります。物販店舗の減少と飲食・サービス業への転換により、商店街本来の機能が失われつつあります。デジタル化など先進的な取り組みは進んでいますが、定住人口の減少という根本課題は未解決です。商店街再生には、地域住民の日常利用を促す業種転換、若年層の呼び込み、データに基づくPDCAサイクルの確立が不可欠です。
中野たいせいの想い
中野たいせいは、松山で暮らす一人ひとりの声に耳を傾け、 子育て、福祉、防災、交通、地域経済など、生活に直結する課題に向き合っています。
「松山をもう一度元気にしたい」。 その想いの原点や、まちづくり・防災・生活密着型政策への考え方を、こちらの記事で詳しく紹介しています。