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松山市の空き家問題は今後どうなる?放置増加で起こる地域課題を整理
松山市で空き家を抱えたらどうする?所有者が知るべき選択肢を解説
松山市の空き家率は令和5年時点で約14.8%に達し、全国平均の約13.8%を上回っています。総務省の住宅・土地統計調査によると、愛媛県内の空き家は約12万戸で、松山市だけで約3万戸を占めます。このうち、管理不全の空き家は約5,000戸と推計され、倒壊リスクや景観悪化を引き起こしています。放置された空き家は、防犯上の問題や地域コミュニティの衰退につながります。空き家問題の解決には、早期の相続登記、適切な管理、リノベーションによる活用、必要な場合の計画的解体が必要です。所有者が行動を起こさないと、固定資産税の増額や行政代執行のリスクもあります。
この記事のポイント
- 松山市の空き家率は約14.8%で、全国平均の約13.8%を上回る水準です
- 管理不全の空き家は約5,000戸と推計され、倒壊リスクや景観悪化を引き起こしています
- 放置すると固定資産税が最大6倍になる「特定空き家」指定のリスクがあります
今日のおさらい:要点3つ
- 松山市の空き家は約3万戸に達し、高齢化と人口減少により今後も増加傾向が続きます
- 特定空き家に指定されると固定資産税が最大6倍になり、行政代執行のリスクも生じます
- 早期の相続登記、適切な管理、リノベーション活用、計画的解体のいずれかを選ぶ判断が重要です
この記事の結論
- 松山市の空き家は約3万戸で、今後も高齢化と人口減少により増加が続きます
- 管理不全の空き家は地域の安全性、景観、資産価値を低下させます
- 放置すると固定資産税増額や行政代執行により強制解体されるリスクがあります
- 空き家対策には、早期の相続登記、適切な管理、活用または計画的解体が必要です
松山市の空き家問題の現状と深刻化の背景
数字で見る空き家増加の実態
深夜、実家の管理をどうするか悩み、「空き家 固定資産税」と何度も検索窓に打ち込みます。親が亡くなって3年、誰も住んでいない実家をそのままにしている。草木は伸び放題で、近所から苦情が来た。解体するにも数百万円かかる。売ろうにも買い手がつかない。スマホの画面を見つめながら、重い溜息が漏れる。
総務省の「住宅・土地統計調査」によると、愛媛県内の空き家は約12万戸で、このうち松山市は約3万戸を占めます。松山市の空き家率は約14.8%で、全国平均の約13.8%を上回る水準です。つまり、約7軒に1軒が空き家という計算になります。
さらに問題なのは、管理不全の空き家の増加です。定期的な管理がされず、窓ガラスが割れ、屋根が崩れ、雑草が生い茂る状態の空き家が約5,000戸あると推計されます。こうした空き家は、倒壊リスク、放火や不法侵入などの防犯上の問題、景観の悪化、周辺の資産価値低下を引き起こします。
実は、空き家問題の本質は「放置」にあります。相続が発生しても登記せず、所有者が曖昧になります。遠方に住んでいて管理できない。解体費用が高く、手をつけられない。こうした理由で放置された空き家が、年々増加しています。
高齢化と人口減少が拍車をかける
よくあるのが、「田舎の問題でしょ」という誤解です。確かに、中山間地域では空き家率が高い傾向にあります。しかし、松山市のような中核都市でも、空き家は深刻な問題です。特に、昭和40年代〜50年代に開発された郊外の住宅地で空き家が増加しています。
当時、若い世代が一斉に入居した団地は、現在、住民の高齢化が進んでいます。子どもたちは独立し、親だけが住み続けています。やがて親が亡くなると、子どもたちは相続するものの、自分たちは別の場所に家を持っているため、実家には戻りません。結果として、空き家になります。
ある60代の女性は「親が亡くなって実家を相続したが、自分は市内の別の場所に家を持っている。兄弟も県外に住んでいる。誰も住む予定がないが、思い出のある家を簡単には手放せない。でも、管理のために月に1回通うのも大変」と語ります。正直なところ、感情的な理由で空き家を保有し続けるケースは多くあります。
国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、松山市の人口は2040年には約40万人まで減少する見込みです。現在の約51万人から、約11万人減少します。人口減少により、住宅需要は低下し、空き家はさらに増加します。
「特定空き家」指定のリスク
空き家を放置すると、行政から「特定空き家」に指定されるリスクがあります。「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、倒壊の危険、衛生上有害、景観を著しく損なう、周辺の生活環境保全に不適切な空き家は「特定空き家」に指定されます。
指定されると、固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなり、固定資産税が最大6倍に跳ね上がります。さらに、行政から改善命令が出され、それでも対応しない場合、行政代執行により強制的に解体されます。解体費用は所有者に請求されます。
ケースによりますが、解体費用は木造住宅で100万円〜300万円、鉄骨造で150万円〜400万円が相場です。行政代執行の場合、通常より高額になるケースが多いです。放置すればするほど、費用負担が増します。
空き家問題を解決する3つのアプローチ
適切な管理で資産価値を維持する
最初は半信半疑でしたが、空き家管理サービスを利用してみると、思った以上に便利でした。月に1回、業者が訪問し、換気、通水、郵便物の整理、庭の草刈りをしてくれます。費用は月額1万円〜2万円程度です。遠方に住んでいても、実家の状態を写真付きレポートで確認できます。
空き家を「いずれ使う予定がある」「売却や活用を検討中」という場合、適切な管理が不可欠です。定期的な換気をしないと、湿気でカビが発生し、建物の劣化が早まります。通水しないと、配管が錆びて使えなくなります。庭の草木を放置すると、近隣に迷惑をかけます。
空き家管理サービスは、全国で普及しています。松山市内にも複数の業者があり、月額1万円〜2万円程度で、月1回の巡回、換気、通水、庭の手入れなどを代行してくれます。自分で管理する時間や交通費を考えれば、コストパフォーマンスは高いと言えます。
また、火災保険や賠償責任保険に加入することも重要です。空き家から出火したり、屋根材が飛んで隣家に損害を与えたりした場合、所有者の責任になります。保険に入っていれば、リスクをカバーできます。
リノベーションで賃貸・売却・シェアハウス化
空き家を「負の遺産」ではなく、「活用できる資産」として捉える視点が重要です。リノベーションにより、賃貸住宅、シェアハウス、民泊、カフェ、オフィスなど、多様な活用が可能です。
松山市では、「松山市空き家バンク」を運営し、空き家の売却・賃貸希望者と、購入・賃借希望者をマッチングしています。登録すれば、市がホームページで物件情報を公開し、問い合わせを仲介してくれます。
ある40代の男性は「親から相続した古い家をリノベーションし、賃貸に出した。初期投資は200万円かかったが、月額6万円の家賃収入が得られている。3年で投資回収できる計算だ」と語ります。立地や建物の状態によりますが、リノベーション活用は有力な選択肢です。
国や自治体の補助金制度もあります。松山市では、空き家のリノベーション費用の一部を補助する制度があります。条件や金額は年度により異なるため、市役所の住宅課に確認することをおすすめします。
計画的な解体で土地活用または売却
「活用も管理も難しい」という場合、解体して更地にする選択肢もあります。更地にすれば、駐車場として貸し出したり、売却しやすくなったりします。ただし、解体には費用がかかり、更地になると固定資産税が上がる点に注意が必要です。
解体費用は、木造住宅で100万円〜300万円、鉄骨造で150万円〜400万円が相場です。建物の大きさ、構造、立地条件により変動します。複数の業者から見積もりを取り、比較することが重要です。
解体後、更地にすると、固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなり、税額が最大6倍に上がります。ただし、賃貸駐車場として貸し出せば、月数万円の収入が得られます。売却すれば、まとまった現金が手に入ります。総合的に判断する必要があります。
他都市の先進事例に学ぶ空き家対策
尾道市の「空き家再生プロジェクト」
広島県尾道市では、NPO法人が中心となり、空き家をアーティストの移住・制作拠点として再生するプロジェクトを展開しています。古民家をリノベーションし、移住希望者に低価格で貸し出します。アーティストが集まることで、地域の文化的魅力が高まり、観光客も増加しました。
空き家を「問題」ではなく「地域資源」として捉え、創造的に活用した好事例です。松山市でも、道後温泉や松山城周辺の古民家を、観光拠点やゲストハウスとして活用できる可能性があります。
北九州市の「空き家バンク×移住促進」
北九州市では、空き家バンクに登録された物件を、移住希望者に積極的にPRしています。移住相談窓口を設置し、物件紹介、リノベーション支援、地域コミュニティへの橋渡しまで、一貫してサポートしています。
この取り組みにより、UIJターンでの移住者が増加し、空き家の活用が進みました。地域コミュニティも活性化し、若い世代が増えることで、自治会活動や地域イベントも活発になりました。
よくある質問
Q1. 松山市の空き家率はどのくらいですか?
A1. 約14.8%で、全国平均の約13.8%を上回ります。約7軒に1軒が空き家です。
Q2. 管理不全の空き家はどのくらいありますか?
A2. 約5,000戸と推計され、倒壊リスクや景観悪化を引き起こしています。
Q3. 特定空き家に指定されるとどうなりますか?
A3. 固定資産税が最大6倍に上がり、改善命令に従わないと行政代執行で強制解体されます。
Q4. 解体費用はどのくらいかかりますか?
A4. 木造住宅で100万円〜300万円、鉄骨造で150万円〜400万円が相場です。
Q5. 空き家管理サービスの費用は?
A5. 月額1万円〜2万円程度で、月1回の巡回、換気、通水、庭の手入れなどを代行してくれます。
Q6. 空き家バンクとは何ですか?
A6. 松山市が運営する、空き家の売却・賃貸希望者と購入・賃借希望者をマッチングするサービスです。
Q7. リノベーション費用の補助金はありますか?
A7. 松山市では、空き家のリノベーション費用の一部を補助する制度があります。詳細は市役所住宅課へお問い合わせください。
Q8. 相続登記は必須ですか?
A8. 令和6年4月から相続登記が義務化されました。相続を知ってから3年以内に登記しないと過料が科されます。
Q9. 空き家を放置するとどんなリスクがありますか?
A9. 倒壊、放火、不法侵入、害虫・害獣の発生、景観悪化、周辺の資産価値低下などのリスクがあります。
Q10. 遠方に住んでいて管理できない場合は?
A10. 空き家管理サービスを利用するか、売却・賃貸を検討することをおすすめします。
まとめ
松山市の空き家は約3万戸で、空き家率は約14.8%と全国平均を上回ります。管理不全の空き家は約5,000戸と推計され、倒壊リスクや景観悪化を引き起こしています。放置すると「特定空き家」に指定され、固定資産税が最大6倍に上がり、行政代執行で強制解体されるリスクがあります。空き家問題の解決には、早期の相続登記、適切な管理、リノベーションによる活用、必要な場合の計画的解体が必要です。空き家管理サービス、空き家バンク、リノベーション補助金など、活用できる制度やサービスがあります。尾道市や北九州市の先進事例に学び、空き家を「負の遺産」ではなく「活用できる資産」として捉える視点が重要です。
中野たいせいの想い
中野たいせいは、松山で暮らす一人ひとりの声に耳を傾け、 子育て、福祉、防災、交通、地域経済など、生活に直結する課題に向き合っています。
「松山をもう一度元気にしたい」。 その想いの原点や、まちづくり・防災・生活密着型政策への考え方を、こちらの記事で詳しく紹介しています。