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防災の日に考える|家庭の備蓄と家族で決めておく避難のこと
松山で子どもを育てる一人として、九月一日を「家族で備えを話す日」にしたい
私は松山で生まれ育ち、愛媛県議会議員として二期、地域の現場を歩いてきました。今も松山で二人の子どもを育てています。九月一日は防災の日です。この日が来るたび、私は行政の備えを語る前に、まず自分の家はどうかと立ち止まります。防災というと大きな計画の話になりがちですが、いざというときに家族を守るのは、玄関に置いた一つの袋や、前もって交わしておいた一言の約束だったりします。この記事は、松山の一つひとつの家庭が無理なく続けられる備えをどう整えるかを、前向きに整理するものです。
【この記事のポイント】
家庭の防災は、特別な道具をそろえることでも、不安を数えることでもありません。いつもの暮らしを少しだけ厚くしておくことと、家族で先に決めておくこと。この二つがそろえば、備えはぐっと現実的になります。松山には、地域で声をかけ合う気風が根づいています。その土台の上にそれぞれの家庭の備えを重ねていけば、まち全体の安心は確かに厚くなります。
今日のおさらい:要点3つ
- 家庭の備蓄は特別な準備ではなく、いつものものを少し多めに持ち、使いながら買い足す暮らしの延長として整えるのが続けやすい
- 避難でいちばん大切なのは、どこへ行くか・どう連絡を取るか・いつ動くかを、落ち着いているうちに家族で決めておくことである
- 備えは一度そろえて終わりではなく、防災の日のような区切りで年に一度見直す習慣にすることで、はじめて生きた備えになる
この記事の結論
災害は、こちらの都合を待ってはくれません。だからこそ、慌てずに考えられる今のうちに、家庭の中に手が届く備えを置き、家族の間に約束を交わしておくことが力になります。備蓄は暮らしの延長で、避難の判断は事前の合意で。松山には、隣近所で声をかけ合ってきた気風があります。私はこの街で生まれ育ち、ここで子育てをする一人として、その底力を活かし、一つひとつの家庭の備えがまち全体の安心につながる松山をつくっていきたいと考えています。
家庭の備蓄は「特別な準備」ではなく「暮らしの延長」で整える
備蓄と聞くと、専用の保存食を箱買いして押し入れの奥にしまう姿を思い浮かべる方も多いでしょう。けれど、そうして用意したものほど存在を忘れ、気づけば期限が過ぎている。家庭の備蓄を続けるコツは、日々の暮らしから切り離さないことにあります。
いつも食べているものを、少し多めに持つ
備蓄の基本は、普段から食べ慣れているものを少し多めに買い、古いものから使い、使った分だけ買い足していくことです。この方法なら、好みが合わずに手つかずで残ることもなく、期限切れも自然に防げます。レトルトのごはんや缶詰、乾麺、インスタントの汁もの。どれも、いつもの買い物の延長で厚みを持たせられるものばかりです。備えのために暮らしを変えるのではなく、暮らしの中に備えを溶かし込む。この考え方に切り替えると、家庭の防災はぐっと続けやすくなります。
水と明かりと情報 ― 止まったときに最初に困るもの
災害のあと、多くの家庭が最初に困るのは、食べ物よりも水や電気だと言われます。飲み水はもちろん、手を洗う、トイレを流すといった生活の水も欠かせません。明かりがないだけで、夜の不安は大きくなります。懐中電灯や電池式の照明、携帯ラジオ、電池、携帯電話の充電手段は、量よりもまず「あること」が大事です。一般に、飲み水は最低でも数日分が目安とされますが、まずは家のペットボトルを一箱多く置くところから始めれば十分です。完璧を目指して手が止まるより、今日できる一歩のほうが確実に家族を守ります。
家族の顔ぶれに合わせて、中身を変える
備えるものの中身は、家族の顔ぶれによって変わります。小さな子どもがいる家庭なら、ミルクやおむつ、食べ慣れた離乳食、絵本があるだけで、避難先での時間はずいぶん違います。高齢のご家族がいるなら、常用のお薬とお薬手帳の控え、入れ歯や補聴器の予備、やわらかい食事。持病やアレルギーのある方、ペットと暮らす方にも欠かせないものがあります。市販の防災セットを買うだけでは、この一番大事な部分は埋まりません。我が家に必要なものを家族で書き出してみること。それが、その家庭にしか作れない備えになります。
置き場所を分け、持ち出す分と家で使う分を考える
備えたものは、置き場所によって働き方が変わります。すぐ持ち出す分は玄関や寝室の近くに一つにまとめ、家で過ごすための水や食料は台所や物置に分けて置く。すべてを一か所に積み上げると、その部屋に入れなくなったときに何も取り出せません。置き場所を分散させること、家族全員がどこに何があるかを知っていること。この二つがそろってはじめて、備えは使えるものになります。
避難は「その場で考える」より「先に決めておく」ほうが動ける
いざというとき、人は思うように判断できません。暗い、揺れている、家族が離れている。そんな状況で一から考え始めるのは難しいことです。だからこそ、落ち着いている今のうちに決めておく。避難で本当に効くのは、道具よりも事前の合意だと私は考えています。
どこへ行くかを、家族で地図を見ながら決めておく
まず決めておきたいのは、行き先です。自宅の周りでどんな危険が想定されているのか、いちばん近い避難場所はどこか、そこまでどの道を通るのか。松山市が公開しているハザードマップや避難場所の情報を、家族そろって一度は開いてみてほしいと思います。大切なのは、地図を見るだけで終わらせず、実際にその道を歩くことです。日中は何でもない道が、夜には様子を変えます。坂や水路、塀の位置を体で知っておけば、当日の判断はずいぶん軽くなります。
連絡が取れないときの、合流の約束を決めておく
災害時は、電話がつながりにくくなることがあります。家族がそれぞれ職場や学校にいるときに起きれば、まず互いの無事を確かめたくなりますが、その連絡自体が難しくなる。だからこそ、つながらなかった場合にどうするかを先に決めておくことが要になります。第一の集合場所と、そこが使えないときの第二の場所。学校や園の引き渡しの決まり。「連絡が取れなくても、ここに行けば会える」という約束が一つあるだけで、離ればなれの時間の不安はまるで違ったものになります。
「いつ動くか」のスイッチを、家族で共有しておく
避難で最も難しいのは、動き出す判断です。まだ大丈夫だろうという気持ちは誰にでも働きますし、家族で意見が割れれば、その分だけ出発は遅れます。だから、どういう情報が出たら、どういう状況になったら家を出るのかを、あらかじめ家族の言葉で決めておくことが大切です。夜の移動は危険が増すので、暗くなる前に動くと決めておくのも一つの考え方です。決めておくことは、心配を増やすことではなく、いざというときの迷いを減らすことです。
年に一度、家族で見直す日をつくる
家族の暮らしは変わっていきます。子どもは大きくなり、通う場所が変わり、体の状態も変わります。そのたびに必要な備えも避難の段取りも変わります。だからこそ、備えは一度整えて終わりにせず、見直す日を決めておきたいのです。九月一日の防災の日は、そのきっかけにちょうどいい日です。備蓄の期限を確かめ、持ち出し袋を家族で開け、避難先と合流の約束をもう一度口に出す。この習慣が根づけば、備えは机上のものではなく、生きた備えに変わります。
よくある質問
Q1. 家庭の備蓄は、何から始めればよいですか?
1. まずは普段食べているものと飲み水を、いつもより少し多めに買うことから始めます。
2. 古いものから使い、使った分を買い足していけば、期限切れを防げます。
3. 特別な保存食をそろえるより、暮らしの延長で厚みを持たせるほうが続きます。
Q2. 備えは、どれくらいの量を用意すればよいですか?
1. 一般に、飲み水や食料は最低でも数日分が目安とされています。
2. 家族の人数や体調によって必要な量は変わるため、我が家に合わせて考えます。
3. 完璧を目指すより、今日一箱増やす一歩を踏み出すほうが確実です。
Q3. 市販の防災セットを買えば十分ですか?
1. 土台としては役に立ちますが、それだけでは足りない部分があります。
2. 薬やおむつ、アレルギー対応の食品など、家庭ごとの必需品は入っていません。
3. 家族で必要なものを書き出し、買ったセットに足していくのがおすすめです。
Q4. 持ち出す荷物は、どこに置いておけばよいですか?
1. すぐ持ち出す分は、玄関や寝室の近くなど手の届く場所にまとめます。
2. 家で過ごすための水や食料は、別の場所に分けて置いておきます。
3. 一か所に集めず分散させ、家族全員が置き場所を知っておくことが大切です。
Q5. 避難場所は、どのように決めればよいですか?
1. 松山市のハザードマップや避難場所の情報を、家族そろって確認します。
2. 決めたら、実際にその道を一度歩いてみることをおすすめします。
3. 夜の見え方や坂道の様子を体で知っておくと、当日の判断が軽くなります。
Q6. 家族と連絡が取れないときは、どうすればよいですか?
1. 連絡が取れない場合の集合場所を、前もって決めておきます。
2. 第一の場所が使えないときの第二の場所も決めておくと安心です。
3. 遠くの親戚を伝言役にしておくなど、複数の手段を用意しておきます。
Q7. 「まだ大丈夫」と思ってしまい、動けるか不安です。
1. どうなったら家を出るかを、あらかじめ家族の言葉で決めておきます。
2. 暗くなる前に動くと決めておくのも、有効な考え方の一つです。
3. 基準を共有しておけば、その場で迷わず動けるようになります。
Q8. なぜ中野泰誠が家庭の防災を語るのですか?
1. 松山で生まれ育ち、この街で二人の子どもを育てているからです。
2. 県議として二期、地域の現場を歩き、暮らしの声を聞いてきたからです。
3. 一つひとつの家庭の備えが、まち全体の安心につながると信じているからです。
まとめ
- 家庭の備蓄は、いつものものを少し多めに持ち、使った分を買い足す暮らしの延長として整えると無理なく続く
- 水と明かりと情報の手段、家族それぞれに欠かせない薬や育児用品など、我が家に必要なものを書き出すことが出発点になる
- 避難で効くのは道具ではなく、どこへ行くか・どう連絡を取るか・いつ動くかを事前に家族で決めておくことである
- 備えは一度で終わらせず、防災の日の区切りで年に一度見直すことで、生きた備えに育っていく
松山には、隣近所で声をかけ合い、困ったときに手を差し伸べてきた気風があります。その底力の上に一つひとつの家庭の備えが重なれば、まちの安心はもっと確かになります。私はこの街で生まれ育ち、ここで子どもを育てる一人として、家庭の備えが自然に続く仕組みを後押しし、市民のみなさんと一緒に安心して暮らせる松山を育てていきたい。まずは今日、家の水を一箱増やし、家族と集合場所を一つ決めるところから。その小さな一歩が、大切な人を守る何よりの力になります。
中野たいせいの想い
中野たいせいは、松山で暮らす一人ひとりの声に耳を傾け、 子育て、福祉、防災、交通、地域経済など、生活に直結する課題に向き合っています。
「松山をもう一度元気にしたい」。 その想いの原点や、まちづくり・防災・生活密着型政策への考え方を、こちらの記事で詳しく紹介しています。