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松山の中心市街地を、次の30年へ|大型商業施設と暮らしの導線を育てる
松山で育った私が描く、大型商業施設と中心市街地の「次のかたち」
大型商業施設のあり方が話題になるとき、私はそれを「まちの終わり」ではなく「人とお金の流れが次の段階へ移るサイン」だと受け止めています。私は松山で生まれ育ち、県議会議員として観光や地域振興の現場を歩いてきました。その経験から確信しているのは、松山の中心市街地には道後や松山城、まちなかの回遊性という確かな底力があり、それを活かして暮らしの導線を描き直せば、まちはもっと歩きやすく、もっと魅力的になれるということです。大切なのは不安に立ちすくむことではなく、「次のにぎわいをどこにつくるか」を前向きに設計していくことだと考えています。
【この記事のポイント】
- 大型店の出店や撤退は、人口や暮らし方、買い物の仕方の変化が重なって起こる自然な動きです。
- 松山の強みは、コンパクトに歩ける中心市街地と、城・温泉・文化という回遊の核を持っていることです。
- これからの鍵は、大型店一つに頼るのではなく、暮らしと観光をつなぐ多様なにぎわいの導線を育てることです。
今日のおさらい:要点3つ
- 知りたいこと:大型商業施設の動きが松山のまちにどう影響するのかを知りたい、ということです。
- その奥にある願い:これからも安心して買い物や暮らしができる中心市街地であってほしい、という思いです。
- 次の一歩:跡地や空きスペースを次のにぎわいへ活かし、歩いて暮らせるまちを育てることです。
この記事の結論
- 大型店の増減は、まちの力そのものではなく、消費の流れが変わったことの表れです。
- 松山は歩いて回れる中心市街地と回遊の核を持ち、次のにぎわいを描きやすいまちです。
- 空いた空間を、商業だけでなく暮らし・文化・交流の場として活かす発想が大切です。
- 徒歩と公共交通で暮らせる導線を守りながら、次の30年のまちを市民とともに描きます。
松山のまちなかは、次のにぎわいを描く力を持っている
大型店の増減は「暮らし方が変わったサイン」
まず前提としてお伝えしたいのは、大型商業施設の出店や撤退は、経営の良し悪しだけで決まるものではないということです。人口構成の変化、車を中心にした暮らし、郊外の開発、そしてインターネットでの買い物の広がり。こうした生活スタイルの変化が長い時間をかけて重なり、「人とお金がどこを流れるか」が少しずつ移っていく。その結果として、施設の役割も変わっていきます。
だからこそ、これを「衰退の始まり」と決めつける必要はありません。むしろ、まちがどんな暮らしを求めているのかを教えてくれるサインだと受け止めれば、次に何を用意すればよいかが見えてきます。松山のまちなかには、この変化を前向きな転機に変えていける土台が十分にあると、私は考えています。
歩いて回れることが、松山の中心市街地の強み
松山の大きな魅力のひとつは、中心市街地がコンパクトにまとまっていて、歩いて回れることです。城下町のまちなみ、路面電車、商店街、そして少し足をのばせば道後温泉や松山城といった回遊の核がある。これは、多くの都市がうらやむ条件です。車で遠くの大型モールへ向かわなくても、まちなかで一日を楽しく過ごせる。この「歩いて暮らせる強み」を軸にすえれば、にぎわいの描き方は大きく広がります。
私は地域を歩くなかで、松山のまちなかが持つ懐の深さを何度も実感してきました。休日には子どもと堀之内公園で過ごし、そこからまちなかへ流れていく。そうした日常の回遊が自然に生まれるまちだからこそ、大型店だけに頼らない、多様な立ち寄り先のあるにぎわいを育てていけると信じています。
「一つの核」から「いくつもの魅力」へ
これまでのまちづくりは、大きな施設一つに人を集める発想が中心でした。けれど、暮らし方が多様になった今は、小さな魅力をいくつもつなぎ、まち全体で人を迎える発想への転換が求められています。個性ある専門店、地元の食を楽しめる場、文化やものづくりにふれられる空間。こうした立ち寄り先が点在し、歩いてつながっていくまちのほうが、これからの時代には強いのです。
松山には、みかんやじゃこ天、鯛めしといった食の魅力や、砥部焼のようなものづくりの文化があります。こうした地域資源をまちなかの体験としてつないでいけば、大型店の有無に左右されない、松山ならではのにぎわいをつくれます。核を一つに絞るのではなく、いくつもの魅力を束ねる。それが、これからの中心市街地の設計図だと考えています。
空いた空間を、暮らしと交流の場へ活かす
「売る箱」から「暮らしを支える場」へ
全国では、かつての大型店の空間を、商業だけでなく、医療や福祉、図書館などの公共機能、住まいやオフィスと組み合わせて、新しい暮らしの拠点として活かす取り組みが広がっています。「モノを売る箱」から「暮らし全体を支える場」へと役割を変える発想です。松山でも、空いた空間を負担として抱え込むのではなく、市民の日常に必要な機能を集めた拠点として描き直すことができます。
大切なのは、「元に戻す」ことではなく「次のかたちを描く」ことです。人が集まる機能を、商業に加えて文化・交流・子育て・学びといった多面的な要素で組み立て直せば、以前よりも暮らしやすいまちなかになる可能性が広がります。空いた空間は、松山の未来を描き直すキャンバスになり得るのです。
徒歩と公共交通で暮らせる導線を守る
まちづくりでいちばん大事にしたいのは、毎日の暮らしが無理なく成り立つことです。食料品や日用品が身近で手に入り、医療や行政サービスにアクセスでき、子どもが通学し、高齢の方が安心して外出できる。車がなくても暮らせる選択肢が、中心部にきちんと残っていること。これは、まちの生活の質を支える土台です。
松山には路面電車をはじめとする公共交通の資産があります。これを活かし、まちなかの回遊と暮らしの導線を丁寧につないでいけば、歩いて心地よく過ごせる中心市街地を守り育てられます。にぎわいづくりと暮らしやすさは、決して別々のものではありません。両方を同時に高めていくことが、これからのまちづくりの軸だと考えています。
市民とともに、次の30年を描く
まちなかの再編は、数十年先を見すえた長い取り組みです。だからこそ、行政や一部の関係者だけで決めるのではなく、そこで暮らす市民が早い段階から「どんな選択肢があり、どんな費用や効果が見込めるのか」を分かち合うことが欠かせません。将来世代に過度な負担を残さないためにも、開かれた議論を重ねることが、後々の納得と誇りにつながります。
私は、松山の未来像は市民一人ひとりの暮らしの実感から立ち上げるべきだと考えています。どんなまちなかで過ごしたいか、どんな時間を子どもと過ごしたいか。その願いを丁寧にすくい上げ、政策や空間の設計に落とし込んでいく。市民とともに次の30年を描くことこそ、松山の中心市街地を輝かせる確かな道だと信じています。
よくある質問
Q1. 大型店の撤退は、まちの衰退を意味するのですか?
1. 撤退そのものは、暮らし方や買い物の仕方が変わったサインです。
2. それを次のにぎわいづくりの転機として活かすことができます。
3. 松山は歩いて回れる中心市街地という強みを持っています。
Q2. 跡地には、また大型店を誘致すべきですか?
1. 同じ形をそのまま戻すだけでは、課題が先送りされがちです。
2. 商業に暮らしや文化、交流の機能を重ねる発想が現実的です。
3. 松山らしい体験をつなぐ拠点として描くのが望ましいです。
Q3. 近くの商店街への影響が心配です。
1. 人の流れが変わると、一時的な影響が出ることはあります。
2. 個性ある専門店や日常使いの店が、新しい魅力になります。
3. まちなか全体で回遊をつなぐ工夫が支えになります。
Q4. 松山のまちなかの強みは何ですか?
1. コンパクトで歩いて回れる中心市街地であることです。
2. 城・温泉・文化という回遊の核が近くにあります。
3. 路面電車など公共交通の資産が暮らしを支えています。
Q5. 空いた空間は、どう活かせますか?
1. 商業だけでなく、暮らしや文化、交流の場に活かせます。
2. 子育てや学び、公共機能を組み合わせる方法もあります。
3. 「次のかたち」を描くキャンバスとして考えられます。
Q6. 車がなくても暮らしやすいまちは保てますか?
1. 徒歩と公共交通で暮らせる導線を守ることが鍵です。
2. 食料品・医療・行政へのアクセスを身近に保ちます。
3. 松山の路面電車などの資産を活かして支えられます。
Q7. 市民はまちづくりにどう関われますか?
1. 説明会やまちづくりの場で、暮らしの実感を伝えられます。
2. どんなまちなかで過ごしたいかを語ることが力になります。
3. その声の一つひとつが、次の30年の設計図になります。
まとめ
- 大型商業施設の動きは、まちの力ではなく暮らし方の変化を映すサインです。
- 松山は歩いて回れる中心市街地と回遊の核を持ち、次のにぎわいを描けます。
- 空いた空間を暮らしと交流の場へ活かし、市民とともに次の30年を育てます。
松山で生まれ育ち、このまちのまちなかを歩いてきた一人として、私は大型店の増減に一喜一憂するのではなく、歩いて暮らせる中心市街地の底力を、次のにぎわいへとつないでいきたいと考えています。まずは、あなたが「こんなまちなかで過ごしたい」と感じる姿を、身近な人と語り合うことから始めてみませんか。その想いの一つひとつが、これからの松山を育てる力になります。
中野たいせいの想い
中野たいせいは、松山で暮らす一人ひとりの声に耳を傾け、 子育て、福祉、防災、交通、地域経済など、生活に直結する課題に向き合っています。
「松山をもう一度元気にしたい」。 その想いの原点や、まちづくり・防災・生活密着型政策への考え方を、こちらの記事で詳しく紹介しています。