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松山市の地域経済は縮小する?持続可能な成長戦略を考える

松山市の地域経済を維持するには?産業と人口の関係を解説

【この記事のポイント】

  • 松山圏域(松山市+周辺市町)の事業所数は約2万7千、その約8割が松山市に集中し、総生産の約8割も松山市が担う“中枢経済圏”になっています。
  • 圏域人口は2025年約62万人→2050年約51.2万人へ約17%減の見通しですが、サービス業・製造業・卸売小売など多様な産業が残り、「一気に経済が崩れる」タイプの街ではありません。
  • 正直なところ、「昔と同じ伸び方」はもう期待できませんが、「強い産業に集中投資しつつ、人口減少とともに賢くコストを下げる」ことで、暮らしと仕事を守るレベルの経済は十分維持できます。

今日のおさらい:要点3つ

  • 顕在ニーズ:松山市の地域経済が今後縮小するのか、そのスピードと規模を知りたいということです。
  • 潜在ニーズ:自分の仕事・事業・資産(住宅・店舗など)が将来“共倒れにならないか”という不安があるということです。
  • 行動ニーズ:松山で働き続ける/事業を続ける前提で、「どこに軸足を置けば10〜20年後も戦えるか」を知りたいということです。

この記事の結論

一言で言うと、「松山市の地域経済は“拡大成長”ではなく“縮小を管理する成長”に切り替える段階にあり、鍵を握るのはサービス業と製造業を軸にしたコンパクトな都市経済運営」ということです。

最も重要なのは、「人口が減るから経済もダメになる」と諦めるのではなく、「圏域として何を残し、何を手放すか」を明確にし、自分の仕事や投資がその“残る側”に乗っているかを確認することです。

失敗しないためには、売上や地価の“見た目の数字”だけで判断せず、「産業別の構造」「圏域の強みと伸びしろ」「市の長期計画」の3つをセットで見ながら、事業・転職・住宅購入の意思決定をすることが欠かせません。

松山市の地域経済は今どうなっているか

産業構造:第3次産業が8割超、中枢サービス都市

松山圏域の事業所数は約2万7千で、その約8割が松山市内にあります。産業別の構成比を見ると、

  • 第3次産業(サービス業・卸売小売・医療福祉など):事業所数・従業者数ともに8割超。
  • 卸売業・小売業:事業所構成比26.4%。
  • 宿泊業・飲食サービス業:12.3%。
  • 建設業:圏域のその他市町で約1割。

と、サービス産業が圧倒的な比重を占めています。

総生産額で見ると、

  • サービス業:総生産の約3割。
  • 不動産業・卸売小売業・製造業・運輸通信業:それぞれ1割超。

となっており、「サービス業都市」でありながら、外貨獲得につながる製造業や卸売業も一定規模を持っているのが特徴です。

正直なところ、「工業都市」ではないですが、「観光+サービス+軽工業+行政・医療」がほどよく混ざった、地方中枢都市らしいバランスです。

実体験①:平日の市内中心部で感じた“業種の混ざり方”

平日の昼間、松山市中心部を歩いていたとき、

  • スーツ姿でオフィスに向かう人。
  • 荷物を積んだ配送トラック。
  • 観光客らしきグループが道後温泉方面へ向かう姿。

が同じ道を行き交っていました。

「観光都市」だけでも「行政都市」だけでもない、この雑多な混ざり方は、経済が一つの業種に偏っていない証拠だと感じました。どこかの業種が落ち込んでも、別の業種が支えられる余地がある——その“保険”のような安定感が、街の空気ににじんでいるようでした。

就業構造:就業者の78%が第3次産業

各種統計の分析によると、松山市の就業者数は213,929人で、

  • 第1次産業(農林水産):3.2%(全国平均3.5%)。
  • 第2次産業(建設・鉱工業):18.8%(全国23.7%)。
  • 第3次産業:78.0%(全国72.8%)。

となっています。

全国平均と比べると、

  • 第1次産業はほぼ同程度。
  • 第2次産業はやや少なめ。
  • 第3次産業は明らかに比率が高い。

という構造です。

これは、

  • 県庁所在地としての行政機能。
  • 大学や医療機関、金融・情報サービスなどの集積。
  • 観光・宿泊・飲食サービス業の厚み。

といった要素が効いています。

圏域経済:松山市が圏域総生産の約8割を担う

松山圏域全体の総生産のうち、松山市が約8割を占めるとされています。

  • 圏域の人口:約62万人(2025年)。
  • 圏域の総生産に占める松山市の割合:約8割。
  • 圏域の事業所数・従業者数でも松山市が約8割。

つまり、「圏域全体の経済=ほぼ松山市の経済」と言ってよい構造です。

正直なところ、これはリスクでもあり強みでもあります。松山市がこければ圏域全体が揺らぐ一方で、松山市が踏ん張れば圏域全体を引っ張れるポジションです。

人口減少と地域経済の「これから」

圏域人口は約17%減、「縮小」は避けられない

第3期「まつやま圏域未来共創ビジョン」によると、

  • 2010年:松山圏域人口 約65.3万人。
  • 2025年:同 約62.0万人。
  • 2040年:同 約54.0万人(約17%減)。
  • 2050年:同 約51.2万人(2025年比で約17%減)。

と予測されています。

松山市単体でも、

  • 2010年:51.7万人。
  • 2040年:43.8万人(2010年比約15%減)。

と見込まれており、人口減少は「既定路線」として捉えられています。

従業者数・生産年齢人口の減少は、

  • 労働力不足。
  • 地元消費市場の縮小。
  • 税収の減少。

を通じて、地域経済の規模を押し下げます。

正直なところ、「経済を今のまま拡大し続ける」のは非現実的で、「どの程度の縮小なら受け入れられるか」を前提に考える段階に来ています。

実体験②:中小企業の社長が漏らした「売上より人の方が心配」

松山市内のサービス業の社長と話したとき、「売上が減るのも怖いけど、正直なところ、人がいなくなる方が怖い」と言っていました。

「実は、ここ数年、売上そのものは横ばい〜微増なんですよ。でも、採用が年々厳しくなっていて、求人広告にお金をかけても応募が少ない。仕事はあるのに、人がいない状態が一番怖い」と。

人口減少が現実味を帯びる中で、「市場の縮小」よりも「人材の枯渇」をリアルに感じている経営者が増えているのを、実感を持って感じました。

国・市の読み:縮小を“管理”しながら成長の芽を伸ばす

松山市の「松山創生人口100年ビジョン」や「まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、

  • 2040年に総人口43.8万人(2010年比約15%減)という現実的な人口展望。
  • 少子化対策、移住定住対策、地域経済活性化、持続可能なまちづくりの4本柱。
  • 「地域経済の縮小を回避し、市民の暮らしと経済を守りながら、持続可能なまちづくりを進める」こと。

が明記されています。

特に、

  • 基本目標③ 魅力ある仕事と職場をつくる(地域経済活性化)。
  • 基本目標④ 住み続けたいまちをつくる(持続可能なまちづくり)。

の2つは、経済と人口の両方を見据えた柱です。

まつやま圏域未来共創ビジョンでも、

  • サービス業、不動産業、卸売小売業、製造業、運輸通信業を「強みと伸びしろ」として位置付け。
  • 人口減少に伴う地域活力低下に対し、「圏域としての連携」で対応。

する方針が示されています。

経済の「質」をどう変えるか:量→付加価値+効率

人口と就業者が減る中で、地域経済を維持するには、

  • 一人当たりの生産性を上げる(デジタル化・効率化)。
  • 単価の高い商品・サービスを増やす(ブランド化・付加価値)。
  • コストのかかるインフラや施設を賢く絞る(コンパクトシティ)。

という「質の転換」が不可欠です。

実際、松山圏域未来共創ビジョンでは、

  • サービス業の高付加価値化。
  • 製造業の技術力向上・外需取り込み。
  • 観光・文化・農業を組み合わせた地域ブランドの強化。

などが、「圏域の経済成長をけん引する伸びしろ」として挙げられています。

正直なところ、「たくさん作ってたくさん売る」時代は終わりつつあります。「少ない人で、どれだけ価値の高い仕事をするか」が、個人にも企業にも突き付けられています。

松山市で“持続可能な成長”を目指すための視点

視点1:強い産業(サービス・製造・観光)にどう関わるか

松山圏域で生産額が大きいのは、

  • サービス業。
  • 不動産業。
  • 卸売・小売業。
  • 製造業。
  • 運輸・通信業。

です。

百科事典的な解説でも、

  • 道後温泉や松山城を中心とした観光業。
  • みかんなどの農業。
  • 化学繊維などの製造業(帝人グループ最大拠点など)。

が基幹産業とされています。

よくあるのが、「自分の仕事はローカルだから」と思っている人が、実は、

  • 観光客向けの飲食・小売で外貨を稼いでいる。
  • 愛媛発の商品・サービスをオンラインで全国に届けている。
  • 県外企業のアウトソーシング業務を受けている。

など、広い意味で「外からお金を引き込む仕事」に関わっているケースです。

自分の事業や働き方が、

  • 完全にローカル需要に依存しているのか。
  • 一部でも「外貨獲得」の要素を持っているのか。

を意識するだけでも、10年先の立ち位置が変わってきます。

視点2:人口減少とインフラ再編の「波」を読む

人口減少が進むと、

  • 公共交通の見直し。
  • 学校・公共施設の統廃合。
  • 道路・上下水道の維持優先度の変更。

といったインフラ再編が進みます。

まつやま圏域未来共創ビジョンでは、

  • 圏域人口の減少。
  • 高齢化による医療福祉需要の増加。
  • 生活圏の変化。

が課題として挙げられています。

これは、

  • 小売・飲食:人の動きが変わることで、売れる場所・時間帯が変わる。
  • 不動産・建設:需要が残るエリアとそうでないエリアがはっきり分かれる。
  • サービス業:高齢者向け・健康・生活支援サービスの需要が増える。

という形で、個々のビジネスにも影響します。

正直なところ、「今の立地・今の客層」だけを見ていると、波に飲み込まれやすくなります。市や圏域のビジョンをざっとでも目を通しておくと、「これから人と機能が集まりそうな軸」が見えてきます。

視点3:個人のキャリアも「圏域単位」で考える

松山市の経済は、松山圏域(松山市+伊予市・東温市・松前町・砥部町など)と一体になっています。

  • 製造業は沿岸部や砥部町など圏域全体に分散。
  • 住宅地は周辺市町に広がり、松山に通勤する人が多い。
  • 商業・医療・教育は松山市に集中。

という構造です。

よくあるのが、「松山市内だけ」で転職・事業展開を考えてしまうケースです。

実は、

  • 松山市に住みつつ、伊予市や砥部町の工場・事業所で働く。
  • 松山市外に住みつつ、松山市内でサービス業・専門職として働く。

といった“圏域内クロス”の働き方が、今後ますます重要になります。

「松山市」という行政区画にとらわれず、「松山圏域」でどんな仕事の回り方があり得るか——この視点を持っておくと、選択肢が一気に広がります。

よくある質問

Q1. 松山市の地域経済は、この先本当に縮小するのでしょうか?

A1. 圏域人口は2025年約62万人→2050年約51.2万人へ約17%減が見込まれており、生産年齢人口の減少から経済規模もゆるやかに縮小する方向です。ただし、多様な産業基盤があるため、「急激な崩壊」ではなく「じわじわとした縮小」です。

Q2. どの産業がこれから強い・弱いと言えますか?

A2. 生産額ではサービス業・不動産業・卸売小売業・製造業・運輸通信業が大きく、これらは「強みと伸びしろ」と位置付けられています。一方で、純粋なローカル需要だけに依存する業種は、市場縮小の影響を受けやすいです。

Q3. 自分のビジネスは、松山市で続けて大丈夫でしょうか?

A3. ケースによりますが、「圏域外からお金を取ってこれているか」「人口が減っても必要とされる分野か」を基準に見ると判断しやすいです。市の戦略や圏域ビジョンに沿った分野は、支援やコラボの余地も大きいです。

Q4. 松山で起業・開業するのはリスクが高いですか?

A4. 人口減少はマイナス要因ですが、四国最大級の商圏・行政・医療・観光の集積というプラス要因もあります。「誰向けに、どこからお金をもらうか」を慎重に設計すれば、むしろニッチを狙いやすい環境とも言えます。

Q5. 不動産や店舗への投資は、やめた方がいいでしょうか?

A5. 一律に「やめるべき」とは言えません。中心部・交通軸沿い・人口が残るエリアなら、長期的に見ても需要が期待できますが、郊外・人口減少が早いエリアは出口戦略をしっかり持つ必要があります。

Q6. 松山市に移住・Uターンしても、仕事はありますか?

A6. サービス業・医療福祉・製造・IT・観光など、求人自体は多く、企業誘致や地域経済活性化策も進んでいます。ただし、都市部と同じ給与水準やキャリアパスを求めるとギャップを感じることもあるため、「暮らし全体」でバランスを見ることが大切です。

Q7. 今から個人としてできる、一番現実的な備えは何ですか?

A7. 一番コスパが高いのは、「自分のスキル・仕事が、サービス業や製造業など圏域の強みとどう接続できるか」を棚卸しすることです。そのうえで、デジタル化・外販・多拠点との連携など、「一人当たりの付加価値を上げる」方向で小さな挑戦を始めるのがおすすめです。

まとめ

松山市の地域経済は、人口減少に伴い規模としては縮小するものの、サービス業・製造業・観光・不動産など多様な産業基盤と、圏域全体の中心都市としての役割を背景に、「持続可能なレベルでの維持」は十分可能なポジションにあります。

市と圏域は、「松山創生人口100年ビジョン」や「まつやま圏域未来共創ビジョン」で、少子化対策・移住定住・地域経済活性化・コンパクトなまちづくりをセットにした長期戦略を掲げ、量から質への転換(高付加価値化・効率化)を進めようとしています。

こういう人は今すぐ相談すべきです。松山で事業を続けるか迷っている経営者、転職や独立を視野に入れている30〜40代、松山圏域に移住・Uターンして働きたいと考えている方です。商工会議所や金融機関の経営相談、市の産業振興窓口などに「自分の事業・キャリアが圏域の強みとどう噛み合うか」を相談すると、見えていなかった選択肢が出てきます。

この状態ならまだ間に合うと言えるのは、「人口減少と経済の質的転換が本格化する2030年代」に入る前、つまり今このタイミングです。迷っているなら、「今の仕事や事業の売上のうち、圏域外から来ている割合」「人口が減っても必要とされる部分」を一度数字で書き出してみるのがおすすめです。

中野たいせいの想い

中野たいせいは、松山で暮らす一人ひとりの声に耳を傾け、 子育て、福祉、防災、交通、地域経済など、生活に直結する課題に向き合っています。

「松山をもう一度元気にしたい」。 その想いの原点や、まちづくり・防災・生活密着型政策への考え方を、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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