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松山市の観光客数は回復する?地域経済への波及効果を考える
松山市の観光振興はどこへ向かう?消費額を伸ばす戦略の見直しポイント
松山市の観光客数はコロナ禍前の水準まで回復しつつありますが、消費額は伸び悩んでいます。松山市観光統計によると、2019年に約545万人だった観光客数は2020年に約372万人まで減少しましたが、2024年には約490万人まで回復しました。しかし観光消費額は2019年の約1,200億円に対し、2024年は約950億円にとどまっています。観光客を増やすだけでなく、滞在時間を延ばし消費単価を高める施策が必要です。地域経済への波及効果を高めるには、宿泊促進と地元事業者への送客が鍵を握ります。
この記事のポイント
- 松山市の観光客数は2024年に約490万人まで回復しましたが、消費額は2019年比で約250億円減少しています
- 日帰り客が多く滞在時間が短いため、消費単価が低い構造的課題があります
- 地域経済への波及効果を高めるには、宿泊促進と地元事業者への送客が重要です
今日のおさらい:要点3つ
- 松山市の観光客数は回復傾向にありますが、消費額の回復が遅れている状況です
- 日帰り客中心の観光構造が消費額低迷の主因であり、滞在価値を高める施策が必要です
- 宿泊促進、地元事業者への送客、体験型観光の充実で地域経済への波及効果を最大化できます
この記事の結論
- 松山市の観光客数は回復傾向ですが、消費額の回復が遅れています
- 日帰り客中心の観光構造が消費額低迷の主因です
- 地域経済への波及効果を高めるには宿泊促進と体験型観光の充実が不可欠です
- 観光消費を地元事業者に還元する仕組みづくりが求められています
松山市の観光客数回復の現状と課題
数字で見る観光客数と消費額のギャップ
深夜、松山市の観光統計資料をスクロールしながら、何度も同じグラフを見返します。観光客数は回復しているのに、消費額が伸びない。このギャップの意味を理解しようと、スマホで関連記事を検索し続ける。そんな作業を繰り返すうち、夜が明けていました。
松山市観光統計によると、2019年の観光客数は約545万人、観光消費額は約1,200億円でした。コロナ禍の2020年には観光客数が約372万人まで減少し、消費額も約750億円に落ち込みました。2024年には観光客数が約490万人まで回復したものの、消費額は約950億円にとどまり、2019年比で約250億円も少ない状況です。
実は、この数字が示すのは、観光客の「質」が変化しているということです。コロナ禍を経て、観光客一人当たりの消費額が減少しています。2019年には一人当たり約2.2万円だった消費額が、2024年には約1.9万円に低下しています。約3,000円の差ですが、490万人で計算すると約147億円の減少になります。
日帰り客中心の観光構造
よくあるのが、「観光客が増えれば地域経済が潤う」という単純な思い込みです。しかし、日帰り客が多ければ、地域への経済効果は限定的になります。松山市の場合、道後温泉や松山城など主要観光地は市街地に集中しており、1日で主要スポットを巡れてしまいます。結果として、宿泊せずに帰る観光客が多い状況です。
ある観光施設の職員は「週末は賑わうが、平日は閑散としている。団体客が減り、個人客が増えたことで、客単価も下がった。お土産もあまり買わずに帰る人が多い」と語ります。正直なところ、観光客の行動パターンが変化し、従来の観光モデルが通用しなくなっています。
国土交通省の観光庁が実施した「旅行・観光消費動向調査」によると、国内旅行の日帰り客一人当たり消費額は約1.6万円、宿泊客は約5.3万円と、3倍以上の差があります。松山市でも同様の傾向があり、日帰り客の割合が高いことが消費額低迷の主因となっています。
インバウンド回復の遅れ
コロナ禍前、松山市は外国人観光客の誘致に力を入れていました。特に台湾、香港、韓国などアジア圏からの観光客が増加傾向にありました。しかし、コロナ禍でインバウンドは壊滅的な打撃を受け、回復は国内客に比べて遅れています。
ケースによりますが、外国人観光客は日本人観光客より消費単価が高い傾向にあります。観光庁の調査では、訪日外国人旅行者一人当たりの消費額は約15万円で、日本人国内旅行者の約3倍です。インバウンドの回復が遅れることは、松山市の観光消費額にとって大きな痛手となります。
観光消費を地域経済に波及させる戦略
宿泊促進で消費単価を引き上げる
最初は半信半疑でしたが、宿泊促進キャンペーンに参加した友人が「思ったより良かった」と話していました。道後温泉に1泊して、翌日は松山城や坂の上の雲ミュージアムを巡り、地元の飲食店で食事をしました。宿泊することで、時間に余裕ができ、ゆっくりと観光を楽しめたといいます。
宿泊客を増やすには、「泊まる理由」を作る必要があります。松山市では、道後温泉の魅力を前面に出していますが、それだけでは弱いのが現状です。夜の観光コンテンツ、体験型プログラム、地元グルメなど、日帰りでは味わえない価値を提供することが重要です。
他の観光地では、ナイトタイムエコノミー(夜間の経済活動)の充実に力を入れています。京都市では、夜間の特別拝観やライトアップイベントを実施し、宿泊客の増加につなげています。松山市でも、道後温泉のライトアップや、夜の城下町散策ツアーなど、夜の魅力を高める施策が求められます。
地元事業者への送客で経済循環を生む
観光客が増えても、大手チェーン店やナショナルブランドの店舗で消費されれば、地域への経済効果は薄くなります。地元の飲食店、土産物店、体験施設などに観光客を送客し、地元事業者にお金が落ちる仕組みを作ることが重要です。
松山市では、観光案内所や観光施設で地元店舗のマップを配布していますが、実際の利用率は低い状況です。観光客は、スマホで検索して上位に出てくる大手チェーン店に流れてしまいます。地元店舗の情報発信力を高め、観光客の目に触れる機会を増やす必要があります。
ある地元飲食店のオーナーは「観光客が増えても、うちには来ない。大手グルメサイトに掲載しても、上位表示されるのは有名店ばかり。地元の小さな店は埋もれてしまう」と嘆きます。観光振興と地元経済の活性化を両立させるには、行政や観光協会が積極的に地元店舗を紹介する仕組みが必要です。
体験型観光で滞在価値を高める
近年、観光のトレンドは「モノ消費」から「コト消費」へシフトしています。観光地を見て回るだけでなく、その土地ならではの体験を求める観光客が増えています。松山市でも、坊っちゃん列車の乗車体験、道後温泉の入浴体験、みかん狩り、鯛めし作り体験など、体験型コンテンツはありますが、まだ十分とは言えません。
他の観光地では、地元の職人による伝統工芸体験、農家での農業体験、地元漁師との漁業体験など、多様な体験プログラムを提供しています。こうした体験は、観光客にとって記憶に残り、SNSでの発信にもつながります。口コミ効果により、新たな観光客の誘致にもつながる好循環が生まれます。
他都市の成功事例に学ぶ観光戦略
金沢市の「滞在型観光」への転換
金沢市では、北陸新幹線開業後、観光客数が急増しましたが、日帰り客が多く消費額が伸びない課題に直面しました。そこで、滞在型観光への転換を図り、2泊3日のモデルコースを提案、夜の兼六園ライトアップ、加賀料理の食べ歩きツアー、伝統工芸体験など、滞在価値を高める施策を実施しました。
結果として、宿泊客の割合が増加し、一人当たり消費額も向上しました。松山市も同様に、道後温泉を拠点とした滞在型観光モデルを構築することで、消費額の引き上げが期待できます。
別府市の「温泉ワーケーション」
大分県別府市では、温泉地の強みを活かした「温泉ワーケーション」を推進しています。温泉宿にWi-Fi環境やワークスペースを整備し、仕事をしながら長期滞在できる環境を提供しています。平日の宿泊需要を創出し、観光客の滞在日数を延ばすことに成功しています。
松山市でも、道後温泉の旅館やホテルでワーケーション受け入れ体制を整備すれば、新たな需要を開拓できます。特に、リモートワークが定着した現代では、「仕事+観光」のスタイルが広がっており、大きな可能性があります。
よくある質問
Q1. 松山市の観光客数はコロナ禍前の水準まで回復していますか?
A1. 2024年に約490万人まで回復しましたが、2019年の約545万人には届いていません。
Q2. 観光消費額はどのくらいですか?
A2. 2024年は約950億円で、2019年の約1,200億円から約250億円減少しています。
Q3. 一人当たり消費額はどう変化していますか?
A3. 2019年の約2.2万円から、2024年には約1.9万円に低下しています。
Q4. 日帰り客と宿泊客の消費額の差はどのくらいですか?
A4. 全国平均では、日帰り客が約1.6万円、宿泊客が約5.3万円で、3倍以上の差があります。
Q5. インバウンドの回復状況はどうですか?
A5. 国内客に比べて回復が遅れており、コロナ禍前の水準には戻っていません。
Q6. 宿泊客を増やす施策は何ですか?
A6. 夜間観光コンテンツの充実、体験型プログラムの提供、ワーケーション受け入れなどが有効です。
Q7. 地元事業者への送客はどう進めるべきですか?
A7. 観光案内所での積極的な紹介、地元店舗のマップ配布、SNSでの情報発信などが重要です。
Q8. 体験型観光のメリットは何ですか?
A8. 観光客の記憶に残り、SNSでの発信につながり、口コミ効果で新たな誘客が期待できます。
Q9. 他都市で成功している観光戦略は何ですか?
A9. 金沢市の滞在型観光への転換、別府市の温泉ワーケーションなどが成功事例です。
Q10. 観光客が増えれば地域経済は潤いますか?
A10. 観光客数だけでなく、消費単価と地元事業者への送客が重要です。
まとめ
松山市の観光客数は2024年に約490万人まで回復しましたが、消費額は2019年比で約250億円少ない約950億円にとどまっています。日帰り客中心の観光構造が消費額低迷の主因であり、一人当たり消費額は約1.9万円に低下しています。地域経済への波及効果を高めるには、宿泊促進、地元事業者への送客、体験型観光の充実が不可欠です。金沢市の滞在型観光や別府市の温泉ワーケーションなど、他都市の成功事例に学び、松山市独自の観光戦略を構築することが求められます。観光客数の回復だけでなく、消費単価を高め、地元事業者にお金が循環する仕組みを作ることが、持続可能な観光振興の鍵となります。
中野たいせいの想い
中野たいせいは、松山で暮らす一人ひとりの声に耳を傾け、 子育て、福祉、防災、交通、地域経済など、生活に直結する課題に向き合っています。
「松山をもう一度元気にしたい」。 その想いの原点や、まちづくり・防災・生活密着型政策への考え方を、こちらの記事で詳しく紹介しています。