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松山市の医療体制は将来も安心?地域医療維持の課題を解説

松山市で必要な医療を受け続けるには?地域医療の現状と課題を解説

【この記事のポイント】

  • 松山市には一般病院36〜41カ所、一般病床4,200床前後、診療所約480カ所、医師約1,600人が集積し、医療資源レベルは全国上位クラスに位置付けられています。
  • 正直なところ、「松山に住んでいて医療が足りない」という状況ではなく、「救急・高度急性期に偏りがち」「高齢者の慢性期・在宅医療の体制をどう厚くするか」が大きなテーマになっています。
  • 患者側が「かかりつけ医」「救急の使い方」「通いやすい病院」を早めに決めておくほど、将来の医療縮小リスクを“自分事としてコントロール”しやすくなります。

今日のおさらい:要点3つ

  • 顕在ニーズ:松山市の医療体制は、病院数・医師数・病床数の面でどの程度充実しているのかを知りたいということです。
  • 潜在ニーズ:将来、救急や専門治療が受けられなくなるのでは、という漠然とした不安があるということです。
  • 行動ニーズ:今のうちに「どの病院・クリニックとどう付き合えばいいか」を知り、いざというとき慌てない状態にしておきたいということです。

この記事の結論

一言で言うと、「松山市は“医療資源が充実している地方中枢都市”ですが、高齢化と医療需要の変化に合わせて、『急性期偏重から、慢性期・在宅・地域連携へ』と自ら転換していく途中にある」ということです。

最も重要なのは、「どの病院が何を得意としているか」「自分の年齢や持病だと、どのレベルの医療がどれくらい必要か」を知ったうえで、かかりつけ医と基幹病院の“二段構え”を早めに作っておくことです。

失敗しないためには、「何でも大きい病院」に頼るのではなく、「日常は近所の診療所+必要時に紹介で市民病院・日赤など」という流れを家族で共有し、救急車を呼ぶ基準や夜間・休日の連絡先を紙で残しておくことが欠かせません。

松山市の医療体制の「今」を数字で見る

病院数・病床数・医師数は、全国的に見ても高水準

各種統計によると、松山市には

  • 一般病院:36カ所。
  • 一般病床数:4,201床。
  • 一般診療所:475カ所。
  • 歯科診療所:244カ所。
  • 医師数:1,609人。

人口50万人前後の都市としては、病院・診療所・医師・病床いずれも全国トップクラスの水準にあり、「医療にアクセスしやすい街」と言えます。

また、愛媛県全体では医師数は全国平均を上回り、その半分以上が松山地区に集中していると分析されています。正直なところ、「地方だから医療が薄い」というイメージは、松山市には当てはまりません。

実体験①:地方なのに「科の選択肢」で迷える感覚

以前、松山市内で持病の検査を受けたとき、内科だけでなく、循環器内科・消化器内科・呼吸器内科と、専門が分かれたクリニックがいくつも並んでいるエリアを歩きました。

「どの先生に診てもらうか」で迷える——これは都市部では当たり前かもしれませんが、人口数万人規模の市町村では得られない感覚です。待合室の雰囲気や受付の対応を見て、「自分に合う先生」を選べたことが、後々の通院への心理的ハードルを下げてくれました。

松山圏域の病床数:全国平均より多く、医療資源レベルは“高”

愛媛県や市の資料によると、松山圏域(松山市+周辺市町)の10万人当たり病床数は全国平均より高く、同じ四国の高松・瀬戸内圏域と同等レベルとされています。

医療政策の分析では、

  • 松山には愛媛大学医学部が所在し、県人口の約46%が集中している。
  • 病院勤務医の約58%、全身麻酔の約70%、看護師の多くが松山地区に集まっており、「医療資源レベルは高い」と評価されています。

一方で、2010年から2035年にかけての医療需要の予測では、

  • 愛媛県全体の総医療需要は2%減。
  • 0〜64歳の医療需要は33%減。
  • 75歳以上の医療需要は33%増。
  • 松山圏域の0〜64歳医療需要は25%減、75歳以上は56%増と予測されています。

つまり、「若い世代の急性期医療需要は減るが、高齢者の慢性期・回復期・在宅医療需要は大きく増える」構造です。

「急性期過剰」「慢性期・在宅不足」という将来像

同じ分析では、「急性期病床の提供能力が将来的に過剰になる一方で、75歳以上の医療需要が大幅に増えるため、急性期病床の一部を療養・回復期・亜急性期へ転換する必要がある」と指摘されています。

愛媛県の医師確保計画でも、

  • 松山圏域は外来医師多数区域であり、医師少数区域は県内の他圏域にある。
  • 2036年時点での必要医師数は全県で3,553人と算定され、その多くを松山以外の圏域で増やす方針。

とされており、松山だけが医師不足に陥るシナリオは、現時点では想定されていません。

正直なところ、「病院や医師が足りなくなる心配」よりも、「どの病床機能にどれだけ資源を振り向けるか」が課題になっています。

現場から見える課題と、暮らしへの影響

よくある不安①:救急車は「ちゃんと来て」「ちゃんと運んでくれるのか」

高齢化と医療需要の変化で、

  • 夜間の救急搬送の件数が増える。
  • 高齢者の“軽症救急”が増加し、本当に重症の患者への対応が逼迫する。
  • 救急医や当直医の負担が限界に近づく。

といった構造は全国共通です。松山も例外ではありません。

松山赤十字病院の地域医療連携室報では、地域医療構想の中で、

  • 「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」に役割分担すること。
  • 日赤は高度急性期・急性期を担う基幹病院として新病院の建設を進めていること。

が述べられています。

実体験②:夜間の救急外来で見た「待ち合いの温度差」

夜、知人の付き添いで松山市内の救急外来に行ったときのこと。待合室には、

  • 高熱の子どもを抱えた親。
  • 転倒で足を痛めた高齢者。
  • 深夜にもかかわらず、割と元気そうにスマホをいじる若い人。

が一緒に座っていました。

受付で症状を説明すると、「順番は緊急度によって変わりますので」と静かに伝えられる。待っている間、隣のベンチから「正直、こんくらいで救急来て良かったんかな」とつぶやく声が聞こえました。

あの微妙な空気感——「遠慮」と「不安」と「焦り」が入り混じった空間は、救急医療の現場の緊張を象徴しているようでした。

よくある不安②:かかりつけ医と大病院の“距離感”が分からない

松山市のように医療資源が豊富な街ほど、

  • どのタイミングで大きな病院に紹介してもらうのが適切か。
  • かかりつけ医と専門病院の役割分担はどうなっているのか。
  • セカンドオピニオンを取りに行くハードル。

など、“選べるがゆえの迷い”が生まれます。

医療情報の解説でも、「地方移住を検討する際は、生活環境だけでなく、医療機関・診療科の有無を事前に確認すべき」と強調されていますが、松山市の場合は「選択肢が多い分、選び方が重要」と読み替えられます。

よくあるのが、「とりあえず市民病院・日赤に」と考えて、軽症でも大病院に殺到し、待ち時間が伸び、現場が疲弊するパターンです。

よくある不安③:将来、在宅医療や介護と医療の連携は足りるのか

高齢化が進むと、

  • 自宅での看取り。
  • 在宅酸素や人工呼吸器、胃ろうなどの医療的ケア。
  • 認知症と身体疾患が重なった高齢者の生活支援。

といった、医療と介護が複雑に絡むケースが増えます。

愛媛県全体の分析では、75歳以上の医療需要が今後大きく増えることが予測されており、急性期病院だけでは支えきれないため、療養・回復期・在宅への機能転換が求められるとされています。

正直なところ、「病院があるかどうか」以上に、「自宅近くに訪問診療医や訪問看護があるか」「地域包括支援センターとの連携がとれるか」が、10〜20年後の安心度を左右します。

将来も必要な医療を受け続けるための「患者側の準備」

戦略1:40〜50代のうちに「自分の基幹病院と診療科」を決めておく

よくあるのが、「大きな病気をしてから『どの病院にかかるか』を探し始める」パターンです。これはかなりしんどいです。

松山市に住んでいるなら、

  • 日赤、市民病院、大学病院など「基幹病院」の場所・得意分野をざっくり把握する。
  • 自分の持病や家族歴(心臓病・がん・脳血管疾患など)を踏まえ、気にしておきたい診療科を決める。
  • 人間ドックや検診の結果を持って、1度は専門医に相談しておく。

といった「予行演習」を、40〜50代のうちにやっておくと、いざというときの動き方がまるで違います。

正直なところ、「元気なうちに大病院に行くのは気が重い」と感じる人も多いですが、一度行っておくと建物の雰囲気や受付の流れがつかめて、不安の半分くらいは消えます。

戦略2:「かかりつけ医」を“保険”ではなく“パートナー”として持つ

松山市のように診療所が多い街では、「どの先生をかかりつけにするか」が重要です。

  • 家からの距離。
  • 相性(話しやすさ・説明の仕方)。
  • 診てくれる範囲(生活習慣病・メンタル・子どもの風邪など)。

これらを踏まえて、「この人にまず相談する」という医師を一人決めておきましょう。

実は、かかりつけ医がいる人ほど、

  • 不必要な救急受診が減る。
  • 専門医への紹介のタイミングが適切になる。
  • 介護や在宅医療への橋渡しもスムーズになる。

といったデータが全国的に報告されています。松山市の医療資源を活かすうえでも、「ワンクッション置く医師」の存在は非常に大きいです。

戦略3:家族で「救急の基準」と「夜・休日の連絡先」を共有する

救急医療を守るうえで、患者側ができる一番の貢献は、「適切に使うこと」です。

  • 救急車を呼ぶべき症状(意識障害・激しい胸痛・顔の歪み・突然の言葉のもつれなど)。
  • 夜間・休日に迷ったときに電話できる窓口(県や市の救急電話相談)。
  • 子どもの発熱時の対応(何度なら様子見、何度なら受診)。

これを家族で一度話し合っておくだけでも、「とにかく不安だから救急車」となるケースを減らせます。

正直なところ、迷う場面は必ずあります。そのときに、「相談先」が一つ頭の中にあるかどうかで、夜中のスマホを握る手の震え方が変わります。

よくある質問

Q1. 松山市の医療体制は、将来も“安心”と言えるレベルですか?

A1. 病院数・病床数・医師数は現時点で全国平均以上で、医療資源レベルは高いとされています。ただし、高齢化に伴い急性期から慢性期・在宅へのシフトが必要な段階にあり、「形を変えながら守る医療」です。

Q2. 大きな病院は、今後減ったり統合されたりしますか?

A2. 愛媛県の地域医療構想では、急性期病床の一部を回復期・慢性期に転換する方向が示されており、新病院建設や機能再編は今後も続きます。「数」が極端に減るというより、「役割」が変わるイメージです。

Q3. 松山市は医師不足の心配はないのでしょうか?

A3. 県全体では医師数は全国平均以上で、松山圏域は外来医師多数区域とされています。松山以外の圏域での医師確保が課題となっており、松山市単体の医師不足リスクは相対的に低いです。

Q4. 高齢になったとき、在宅医療や訪問診療は受けられますか?

A4. 愛媛県の分析では、75歳以上の医療需要増加に対応するため、療養・回復期・在宅医療の充実が求められています。松山市でも訪問診療や訪問看護の体制は整いつつありますが、エリアによる差もあるため、早めに地域包括支援センターなどに相談しておくのが安心です。

Q5. 子どもがいる家庭にとって、小児医療は十分でしょうか?

A5. 松山市には小児科の診療所や小児救急を担う基幹病院があり、県内では比較的安心して子育てできる医療環境です。ただし、夜間・休日の小児救急は混雑しやすいため、電話相談やかかりつけ小児科との連携が重要になります。

Q6. U・Iターンで松山に移住した場合、医療面での心配はありますか?

A6. 四国の中では医療資源が最も充実しているエリアの一つと評価されており、都市部からの移住でも大きなギャップを感じにくいとされています。ただし、慢性期・在宅医療の体制は今後強化が必要な段階です。

Q7. 今から個人としてできる、一番効果的な備えは何ですか?

A7. 「自宅から30分以内で行ける病院・クリニック・歯科・薬局」を書き出し、その中で“まず相談する場所”を家族と決めておくことです。それだけで、急な体調不良時のストレスは大きく減ります。

まとめ

松山市は、病院数・病床数・医師数ともに全国平均を上回り、愛媛県内では医師・医療資源が集中する「地方中枢都市」としての医療体制を持っています。

一方で、今後は0〜64歳の医療需要が減る一方、75歳以上の医療需要が大幅に増えることが予測されており、急性期偏重から回復期・慢性期・在宅医療へと機能転換していく必要があります。

こういう人は今すぐ相談すべきです。持病があり今後の治療方針に不安がある方、親の介護と医療の両立を考え始めている方、そして松山への移住を検討している子育て世帯・シニア世帯です。かかりつけ医や地域包括支援センター、病院の地域医療連携室に早めに相談しておくことで、「いざ」というときの選択肢が広がります。

この状態ならまだ間に合うと言えるのは、「自分や家族が大きな病気をする前」、そして「親の介護が本格化する前」の今のタイミングです。迷っているなら、「基幹病院+かかりつけ医+夜間・休日の相談先」の三つをメモにまとめて、冷蔵庫など家族全員が見える場所に貼っておくのがおすすめです。

中野たいせいの想い

中野たいせいは、松山で暮らす一人ひとりの声に耳を傾け、 子育て、福祉、防災、交通、地域経済など、生活に直結する課題に向き合っています。

「松山をもう一度元気にしたい」。 その想いの原点や、まちづくり・防災・生活密着型政策への考え方を、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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