NEWS

お知らせ
HOME > ブログ > 松山の地域ブランドを、経済の力に|統一した物語でまちの価値を高める戦略
ブログ

松山の地域ブランドを、経済の力に|統一した物語でまちの価値を高める戦略

松山で育った私が信じる、地域ブランドを「まちの稼ぐ力」に変える道

松山には、道後温泉や松山城、正岡子規や夏目漱石ゆかりの文学、そして瀬戸内の海の幸という、全国に誇れる宝物があります。私は松山で生まれ育ち、地域活性化を仕事にしながら、県議会議員として観光や産業の現場を歩いてきました。その中で確信しているのは、松山の地域ブランドを経済の力に変える鍵は、「松山とは何のまちか」「誰にどんな価値を届けるのか」という物語を、行政も企業も観光の担い手も共通の言葉として持てるかどうかだということです。散らばった魅力を一本の物語で束ねれば、松山の名前そのものが、確かな価値を生み出していきます。

【この記事のポイント】

  • 地域ブランドとは、地域の名前を聞いた瞬間に浮かぶイメージと、その価値への信頼のことです。
  • 核となる物語、届けたい相手と価値、共通のデザインを統一することが力の源になります。
  • 新しいランドマークより、松山の歴史資産・商店街・自然を磨き上げる方が、長く効きます。

今日のおさらい:要点3つ

  • 知りたいこと:松山の地域ブランドを、どうすれば経済の力にできるかを知りたい、ということです。
  • その奥にある願い:松山の魅力を正しく評価してもらい、地元の事業者が潤ってほしい、という思いです。
  • 次の一歩:松山の魅力を一つの物語に束ね、事業者が自分の言葉で使えるようにすることです。

この記事の結論

  • 松山は、地域ブランドの土台になる宝物を豊かに持つまちです。
  • 統一した物語を軸に、観光・産品・暮らし・投資を一体で編集することが鍵です。
  • 新しい箱より、既存の歴史資産や自然を磨く方が、投資が長く生きます。
  • 地元経営者は「自社×松山らしさ」を掛け合わせ、価値を乗せていけます。

地域ブランドは、なぜまちの稼ぐ力になるのか

「名前の信頼」が、価格競争から抜け出す力になる

地域ブランドの大きな力は、「その地域の名前が付くだけで、価値が正しく認められる」状態をつくれることです。産地の名を掲げた食品や工芸品が、丁寧につくられた価値にふさわしく取引される。観光地としての信頼が高まることで、宿泊や飲食、体験の価値がきちんと評価される。こうした状態になれば、安さだけを競う消耗戦に巻き込まれにくくなり、地元の事業者が働きに見合った収益を得やすくなります。

松山には、その信頼を築くだけの本物の魅力があります。あとは、その魅力を正しく伝え、価値として認めていただく工夫を重ねること。私は、地元の頑張りが正当に報われるまちにしていきたいと考えています。

一貫したイメージは、みんなの広告費になる

地域ブランドは、「共同の広告」としても働きます。多くの事業者が同じ物語やイメージを共有すると、一つひとつの発信が積み重なり、まち全体としての印象が育ちます。ある店の良い評判が、別の店への信頼にも自然と広がっていく。こうして、一社では届かない範囲のお客さまにも、松山全体としてリーチできるようになります。

バラバラに発信するより、共通の物語のもとで力を合わせる。人と人の距離が近い松山だからこそ、この「みんなで育てるブランド」は実現しやすいと感じています。

「住む・働く・訪れる」の好循環を生む

魅力ある地域ブランドは、観光の来訪だけでなく、移住や二拠点の暮らし、地元企業への就職や投資といった、多様な人の流れを呼び込みます。その効果は観光の売上にとどまらず、雇用や不動産、新しい事業の芽といった形で、松山全体の活力として表れてきます。訪れる人が増え、暮らす人が誇りを持ち、働く場が広がる。その好循環こそ、ブランドがもたらす本当の価値です。

松山を、訪れてよし、暮らしてよし、働いてよしのまちに。地域ブランドは、その循環を回すためのエンジンになります。

松山の地域ブランドを、どう設計するか

「何のまちか」を一文で言える核を決める

ブランドづくりで最初に必要なのは、「核を絞る勇気」です。歴史も温泉も文学も海も食も、と全部を並べると、かえって何も伝わりません。たとえば「歴史と文学が、日常の暮らしにやさしく溶け込む温泉城下町」のように、松山でどんな時間を過ごせるのかを、一文で描いてみる。この一文が、あらゆる取り組みを見きわめる物差しになります。

一文に絞ると聞くと、「うちの魅力が入っていない」という声が出るのは自然なことです。けれど、一文に絞るとは、他の魅力を捨てることではありません。「いちばん伝わる入口を決める」ことです。入口で興味を持った人が、奥にある多彩な魅力へ自然とたどり着く。その設計こそ、松山のブランド戦略の芯になります。

届けたい相手と、提供する価値を明確にする

次に大切なのは、「誰の、どんな願いに応えるまちなのか」を決めることです。週末に心と体を整えたい方、子どもに歴史と自然を体験させたい家族、静かな環境でじっくり創作したい方。それぞれに向けて、「松山ならではの過ごし方」を設計し、商品として形にし、情報として届けていく。相手が具体的に見えるほど、届ける価値も磨かれていきます。

松山の魅力は、幅広い方に響く懐の深さがあります。だからこそ、誰に何を届けるのかを丁寧に定めることで、その魅力が一人ひとりの心に、より深く届くようになります。

共通のデザインと物語の型を用意する

地域ブランドは、「共通の型」があって初めて広がります。ロゴや色、写真のトーン、物語の組み立て方、合言葉となるキャッチコピー。こうした型を共有し、地元の経営者が自社のサイトやパンフレットに気軽に取り入れられる状態をつくる。そうすれば、それぞれの事業者が自分の言葉で松山らしさを語りながら、まち全体として一貫したイメージを育てていけます。

型は、みんなの表現を縛るためのものではありません。むしろ、それぞれの個性を活かしながら、松山という物語に自然と重ねていくための、やさしい道しるべです。

松山の資産を活かした、賢いブランド投資

新しい箱より、既存資産の「編集」を優先する

大きな新しい施設を建ててブランドをつくる方法は、将来の維持や更新に負担が残ります。それよりも、松山がすでに持つ温泉まちや商店街、城郭や海辺を磨き上げ、照明やサイン、ベンチなどで統一感を出していく。空き家をゲストハウスやギャラリーとして活かす。こうした「編集型のブランド戦略」なら、長い目で負担を抑えながら、まちの魅力を高めていけます。

松山にはすでに、磨けば光る資産が数多くあります。ゼロから何かを生み出すより、今あるものの価値を丁寧に引き出す。それが、松山の未来に責任を持つ、賢い投資のかたちだと思います。

点ではなく、「歩いて楽しむ導線」で魅せる

ブランドは、一カ所の見どころではなく、「まちなかでの体験の連なり」でつくられます。駅から城下町、温泉まち、そして海辺へと続く散策の道。夜のまち歩きや路面電車を活かした回遊のしやすさ。こうした導線をデザインし、「歩くだけで松山の物語が伝わる」ようにしていく。そうすれば、建物一つの新しさに頼らずとも、まち全体の魅力を継続的に育てていけます。

松山は、歩いて楽しいまちです。その良さを活かし、点と点を物語でつなぐことで、訪れる人の心に残る体験が生まれます。

ブランドとインフラ更新を、同時にデザインする

道路や公園、公共施設の更新の時期は、ブランドを磨き直す好機でもあります。歩道の素材や街路樹、照明のデザインを、松山の物語に合わせて整える。公共施設の外観やサインの雰囲気をそろえ、まちのトーンを一つにしていく。これらは、いずれ必要になる更新の機会に、ブランドの要素を重ねる形なので、新たな負担を増やさずにまちの魅力を高められます。

どうせ手を入れるなら、その一手間に松山らしさを込める。日々のまちの営みそのものを、ブランドづくりの一部にしていく発想を大切にしたいと思います。

よくある質問

Q1. 地域ブランドを強めても、すぐ売上につながりますか?

1. すぐの売上対策というより、中長期の投資と捉えるのが現実的です。
2. 価格と来訪の質を、じっくり高めていく取り組みです。
3. 積み重ねが、確かな稼ぐ力に変わっていきます。

Q2. 小さな事業者にも、ブランド戦略は必要ですか?

1. 必要です。小さな店や宿こそ物語を伝えやすい存在です。
2. 地域の顔として、松山らしさを届けやすい立場にあります。
3. 一店の魅力が、まち全体のブランドを支えます。

Q3. ロゴやキャッチコピーは必須ですか?

1. あると共通認識はつくりやすくなります。
2. ただし、それだけでは十分ではありません。
3. 「どんな体験を届けるか」という中身が伴って生きます。

Q4. 温泉やグルメなど、複数の顔を持つのはありですか?

1. ありですが、親となる物語との関係の整理が大切です。
2. 核のコンセプトの下に、各テーマをぶら下げる形が理想です。
3. 全体の一貫性を保つことで、魅力が分散しません。

Q5. 地域ブランドと自社ブランドが、ぶつかりませんか?

1. 方向性が違えばぶつかることもあります。
2. どこまで地域色を取り入れるかを、あらかじめ決めます。
3. 自社の大切な価値は、崩さない線引きが重要です。

Q6. 若者や外部の人を巻き込む良さは何ですか?

1. 当たり前すぎて気づかない魅力を、掘り出してくれます。
2. 発信や実装の力に長けた人が多い層です。
3. 新しい視点が、松山の物語を豊かにします。

Q7. 地元経営者は、地域ブランドをどう活かせますか?

1. 「自社×松山らしさ」を掛け合わせて設計できます。
2. 商品や接客に、まちの物語をさりげなく込めます。
3. 小さな工夫の積み重ねが、価値になります。

Q8. まず一歩目に、何をすればよいですか?

1. 自社のお客さまに「松山の好きなところ」を聞きます。
2. その共通点を並べてみます。
3. すると、松山ブランドの核となる言葉が見えてきます。

まとめ

  • 「松山とは何のまちか」を一文で言える核を定めることが出発点です。
  • 新しい箱より、既存資産の磨き上げと歩いて楽しむ導線に投資します。
  • 地元経営者は「自社×松山らしさ」で、価値と物語を乗せていきます。

松山で育ち、地域活性化を仕事にしてきた私は、このまちの頑張りが正当に報われる仕組みをつくりたいと願っています。松山の宝物を一つの物語に束ね、まち全体で共有し、地元の稼ぐ力へと変えていく。まずは、あなたのお店やお仕事が「松山の物語のどこを担えるか」を、思い描いてみてください。その一つひとつが、選ばれるまち・松山をつくる確かな力になります。

中野たいせいの想い

中野たいせいは、松山で暮らす一人ひとりの声に耳を傾け、 子育て、福祉、防災、交通、地域経済など、生活に直結する課題に向き合っています。

「松山をもう一度元気にしたい」。 その想いの原点や、まちづくり・防災・生活密着型政策への考え方を、こちらの記事で詳しく紹介しています。

中野たいせいの想いを読む

SUPPORTER
中野たいせいを応援する