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松山の地域企業が「安さ」より「選ばれる理由」で伸びるには|価格に負けない松山経済
松山で生まれ育った私が信じる、「価格」ではなく「価値」で選ばれる地域経済
松山には、安さだけでは測れない魅力を持つ企業や生産者がたくさんあります。私は松山で生まれ育ち、地域活性化の現場を歩き、県議会では経済や産業の議論に携わってきました。その中で強く感じてきたのは、松山の底力は「独自の価値」にこそ宿るということです。みかんやじゃこ天、砥部焼、道後のもてなし。どれも「安いから選ばれる」のではなく、「ここにしかないから選ばれる」ものばかりです。値下げ競争に巻き込まれるのではなく、松山ならではの強みを言葉にし、正しく届けていく。その積み重ねが、地域の企業と働く人の暮らしを守り、まちを元気にしていくと私は考えています。
【この記事のポイント】
- 松山の企業が価格競争を超えるには、「安さ」ではなく自社ならではの強み(USP)や価値提案で選ばれる形に育てていくことが力になります。
- 松山には、地元食材・伝統の技・人の温かさなど、価格以外で選ばれる素材が豊かにそろっています。
- 大切なのは、値引き前提の受け身の商いから、自社の価値を説明し、納得して選んでいただく商いへと一歩ずつ切り替えていくことです。
今日のおさらい:要点3つ
- 知りたいこと:松山の企業が値下げ合戦に疲れず、しっかり利益を残しながら伸びる道はあるのか、ということです。
- その奥にある願い:松山で頑張る会社や働く人が、正当に報われ、安心して暮らせるまちであってほしいという思いです。
- 次の一歩:まずは「値段以外で感謝された理由」を洗い出し、自社の強みを一文で言葉にしてみることです。
この記事の結論
- 価格競争を超える近道は、値下げを我慢することではなく、「誰に・何を・どう届けるか」を絞り込み、独自の価値で選ばれる形に変えることです。
- 松山の企業が価格だけで比べられてしまうのは、多くの場合「本当は違うのに、その違いが伝わっていない」ためです。
- 出発点は「値段をどうするか」ではなく、「自社は何に対して選ばれているのか、選ばれたいのか」を言葉にすることです。
- 松山が持つ食・技・もてなしの豊かさを活かせば、価格に振り回されない強い地域経済へと前進できます。
なぜ価格競争になりやすいのか、松山の強みから考える
「違い」が伝わらないと、安さだけで比べられる
企業が価格競争に巻き込まれてしまう一番の理由は、お客様から見て「どこが違うのか分からない」状態にあることだと、私は現場で感じてきました。技術やこだわりがあっても、それが伝わっていなければ、結果として「同じに見えて、安い方が選ばれる」ことになりがちです。松山の企業には確かな力があるからこそ、その力を正しく届ける工夫が、次の伸びしろになります。
まずは、「なぜ今の価格になっているのか」「お客様は何を見て比べているのか」を落ち着いて整理してみることです。そこから、自社の本当の強みが見えてきます。
価格だけの勝負が、暮らしと未来を細らせる
値下げを続けると、現場は忙しいのに手元にお金が残らず、社員の賃上げや設備への投資に回せなくなります。原価を削るために材料や工程、人の育成にしわ寄せがいき、質が落ちてさらに安さを求められる、という苦しい流れに入ってしまうこともあります。これは松山だけの話ではなく、全国のまちが向き合う共通のテーマです。
だからこそ、「安くしても忙しいだけ」であれば、その商いの形をいったん見直す価値があります。働く人がしっかり報われる形に変えていくことが、まちの元気につながります。
松山が持つ「価格以外の武器」
松山の企業の武器は、「近さ・柔軟さ・物語・専門性」だと私は思います。お客様と直接顔を合わせ、細かな要望に応えられる近さ。小ロットや試作、カスタマイズに応じられる柔軟さ。地域の歴史や人に紐づいた物語。そして「この件ならあの会社」と指名される専門性。松山には、これらを支える豊かな素材があります。
みかんや地元の海の幸を活かした食、砥部焼のような手仕事、道後をはじめとするもてなしの文化。こうした松山らしさは、そのまま「価格以外で選ばれる理由」になります。まずは「値段以外で感謝されたこと」を洗い出し、それを自社の強みとして言葉にすることが、はじめの一歩です。
価値で選ばれる会社へ、松山でできる実務ステップ
自社の強みを一文にする
独自の強みと価値提案は、「お客様のどんな悩みに対して、自社だけがどう応えられるか」を一文で表したものです。現場の声を聞き、これまで選んでくださったお客様に理由をたずね、他社と何が違うのかを見つめ直す。この積み重ねから、飾りではなく、営業の場面で本当に使える言葉が生まれます。
「短納期で小ロットにも応える」「現場で一緒に考える提案力」「松山の資源を活かしたオリジナル企画」。こうした点は、地域に根ざした企業ならではの強みになり得ます。かっこいいキャッチコピーよりも、現実に説明できる一文を持つことが力になります。
価格を自分たちで決められる商いへ
価格をめぐって迷わないためには、自社の原価と、続けていくために必要な利益をきちんと把握し、それを前提に対話することが大切です。「この条件を下回ると続けられない」というラインを持ち、品質や納期を保つために必要な価格であることを、根拠を示して丁寧に説明する。この姿勢が、価値に見合った対価へとつながっていきます。
すべてのお取引をそのまま守ろうとするのではなく、価値を分かってくださるお客様との関係を少しずつ増やしていく。時間はかかっても、この切り替えが、無理のない経営と働く人の安心を支えます。
お店や工場を「価値が伝わる場」に
店舗や工場に手を入れるときも、「安売りの器」ではなく「価値と物語が伝わる器」として考えたいところです。商品の背景や職人の仕事が見えるショールーム、体験しながら魅力に触れられる場。こうした工夫は、「良いものだと納得して選ぶ」きっかけになります。松山を訪れる方にも、地元の方にも、まちの魅力が伝わる場が増えていけば、それ自体がまちの財産です。
大切なのは、見た目を新しくすることそのものではなく、「価値を伝え、選ばれる理由を強くする」という目的です。その目的がはっきりしていれば、投資はまちの魅力を育てる前向きな一歩になります。
よくある質問
Q1. 価格競争を超える一番シンプルな方向性は?
1. 価格ではなく、自社ならではの強みや価値で選ばれる形に変えることです。
2. まずは「選ばれている理由」を言葉にしましょう。
3. 松山の食・技・もてなしは、その大きな手がかりになります。
Q2. 値上げをするとお客様が離れませんか?
1. 価値の説明と中身が伴えば、分かってくださるお客様は残ります。
2. すべてを守ろうとせず、良い関係を少しずつ増やす発想が大切です。
3. 長い目で見れば、安定した関係が経営を支えます。
Q3. まず何から着手すべきですか?
1. 既存のお客様に「なぜ選んでくれたか」をたずねてみましょう。
2. 自社の強みを棚卸しし、一文にまとめます。
3. その言葉を営業や発信の軸に据えます。
Q4. 原材料が上がり、価格の見直しがうまくいきません。
1. 自社の原価と必要な利益を、資料で分かるように整理します。
2. 品質や納期を保つために必要な価格だと丁寧に説明します。
3. 根拠を示すことで、対話が進みやすくなります。
Q5. 価格競争に陥りやすい原因は何ですか?
1. 商品の違いが伝わっていないことが大きな要因です。
2. 値引き前提で受けてしまう習慣も影響します。
3. 価値より先に値段を出してしまうことも一因です。
Q6. 松山の企業ならではの強みは何でしょうか?
1. お客様との近さと、要望に応える柔軟さです。
2. 地元の食材や伝統の技といった独自の素材です。
3. まちの歴史や人に紐づく物語も、大きな強みです。
Q7. 店舗や工場の改装は価値づくりに役立ちますか?
1. 価値や物語が伝わる場にすれば、大きな力になります。
2. ただ新しくするだけでは効果は限られます。
3. 「選ばれる理由を強くする」目的を先に決めましょう。
Q8. 安さに慣れたお客様とどう向き合えばよいですか?
1. すべてを一度に変えようとせず、時間をかけて進めます。
2. 価値を分かってくださる方の割合を増やしていきます。
3. 誠実な説明を重ねることが信頼につながります。
まとめ
- 価格競争を超える鍵は、「安さ」から「独自の価値」で選ばれる形へ変えることです。
- 松山には、食・技・もてなしなど、価格以外で選ばれる素材が豊かにそろっています。
- 自社の強みを一文にし、価格を自分たちで決められる商いへ、一歩ずつ切り替えましょう。
松山で生まれ育ち、このまちの産業とともに歩んできた一人として、私は、頑張る企業と働く人が正当に報われる松山をつくりたいと考えています。まずは「値段以外で選ばれている理由」を、今日ひとつ書き出すことから始めてみてください。その一歩が、価格に負けない強い松山経済への出発点になります。
中野たいせいの想い
中野たいせいは、松山で暮らす一人ひとりの声に耳を傾け、 子育て、福祉、防災、交通、地域経済など、生活に直結する課題に向き合っています。
「松山をもう一度元気にしたい」。 その想いの原点や、まちづくり・防災・生活密着型政策への考え方を、こちらの記事で詳しく紹介しています。