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松山市で空港利用低迷が続く理由とは?都市競争力との関係を分かりやすく解説

四国のゲートウェイを目指して — 松山空港と広域交通ネットワーク再設計の論点

【この記事のポイント】

松山空港は定時出発率世界1位の実績やアクセスの良さなど強みを持つ一方、機材の小型化や路線数の制約により、都市圏規模に見合う需要を十分に取り込めていません。

空港利用の伸び悩みは、単に「飛行機が少ない」という問題ではなく、広域からのアクセス・四国内ネットワーク・ビジネス・観光の一体設計が不十分なことの表れです。

最も大事なのは、松山港・松山空港・鉄道・高速道路を結んだ広域交通戦略を再構築し、「四国のゲートウェイ」として選ばれる空港・都市をつくることです。

今日の要点3つ

松山空港は利便性と定時性の評価に比べ、旅客数・路線数がまだ成長途上であり、地域の潜在需要を取り切れていません。

判断基準として重要なのは、「どれだけ四国内外から松山に来やすいか」「空港から市内・周辺都市へ動きやすいか」を軸に、空港アクセスと広域交通の設計を見直すことです。

現実的な判断としては、路線拡充だけに依存せず、MaaS・空港連絡バス・港湾・鉄道などを組み合わせ、都市全体の回遊性と経済効果を高める方向へ投資を振り向けるべきです。

この記事の結論

松山空港は、国・県のデータから見ても「アクセスの良さ」と「定時性」に強みがある一方、路線数・機材規模・広域需要の取り込みという点で改善余地があります。

この点から分かるのは、空港を単体のインフラとして見るのではなく、「港・鉄道・高速道路・都市機能」と一体で設計された広域交通ノードとして捉え直す必要があるということです。

都市競争力の観点では、四国各都市との分担・連携を前提に、ビジネス・観光・物流を含めた「松山を起点とするネットワーク」の価値をどう高めるかが重要になります。

こうした条件を踏まえると、空港利用の「低迷」を単なる需要不足と見るのではなく、広域交通戦略と都市政策のアップデートに向けたシグナルとして捉えることが、今後の意思決定に役立ちます。

松山空港の利用状況は本当に「低迷」しているのか?

国内外の利用者数の推移と特徴

結論から言うと、松山空港の利用は「コロナ前比でみれば回復・成長局面」にある一方で、「都市圏規模やポテンシャルから見た期待値」にはまだ届いていません。

愛媛県の資料によると、松山空港の国際線旅客数は、高松・広島と比較しても2019年度比で約167%と既にコロナ前の水準を上回っており、回復のスピードはむしろ地方空港の中では高い方に位置づけられます。

しかし、国内線は小型機の就航が多く、着陸回数に対して旅客数が少ない傾向があり、座席供給量という意味では大都市圏と比べると見劣りする状況です。

この点から分かるのは、松山空港の「低迷」とは単純な旅客減少ではなく、「路線ポートフォリオや機材構成が、潜在需要に対して最適化されていない」ことに起因する面が大きいということです。

利用者が松山空港を選ぶ理由と選ばれない理由

愛媛県の調査では、日本人出国者が松山空港を選ぶ最大の理由は「来るのが便利」であり、市内や県内主要都市からのアクセスの良さが選択率を押し上げています。

一方で、より多くの路線や便数を求めて、他の拠点空港(大都市圏の空港など)を利用する層も一定数存在し、その結果として「潜在需要が域外の空港に流出している」という構図が生まれています。

実務的には、ビジネス利用者は「時間帯と乗り継ぎの良さ」を重視し、観光客は「直行便の有無」や「運賃」を重視する傾向があります。

これらに十分応えられない場合、空港自体の利便性が高くても、「わざわざ別の空港を使う」という選択が行われやすく、結果的に松山空港の利用が伸び悩みます。

他地域の空港との比較から見えるポジション

愛媛県の将来構想では、「中四国一の利用者数と路線数を目指す」という目標が掲げられ、2030年度に旅客数317万人・路線数13路線を目標にしています。

しかし、広島空港や高松空港など近隣の競合空港も、それぞれの広域圏を背景に路線網の拡充や国際チャーター便の誘致を進めており、中四国内の空港間競争は今後も続くと見込まれます。

この点から分かるのは、松山空港は「愛媛県の玄関口」という役割だけでなく、「四国西部〜瀬戸内エリアをつなぐ中距離ハブ」としてどう差別化していくかが重要だということです。

愛媛らしさを活かした観光・産業・物流との連携を強めることで、「他空港では代替しにくい価値」を打ち出していく必要があります。

空港利用の低迷は松山市の都市競争力にどんな影響があるのか?

ビジネス環境と企業立地の観点

この点から分かるのは、空港の路線数と便数は、企業の立地判断や投資決定に直接影響する「見えやすい指標」だということです。

国内主要都市や海外の拠点へのアクセスが限定されると、企業は出張コストや移動時間を考慮して、別の都市への立地を検討する可能性があります。

松山市の場合、現在もビジネス路線は一定程度維持されているものの、将来的な国際ビジネスやスタートアップ誘致を考えると、「どこまでワンストップでアクセスできるか」が競争力の分かれ目になります。

広域交通戦略の中で、空港アクセスと市内のビジネス拠点(オフィス街・インキュベーション施設など)との接続を強化することが、結果的に「仕事のしやすい都市」としての印象を高めます。

観光・MICE・インバウンドへの影響

観光の観点では、「直行便の有無」と「空港から主要観光地までの移動時間」が来訪意欲を左右します。

松山は道後温泉や城下町、瀬戸内の島々など魅力的な観光資源を持つ一方で、乗り継ぎが増えるほど旅程のハードルが上がり、他地域との競合に負けやすくなります。

また、MICE(会議・インセンティブ旅行・国際会議・展示会)誘致においても、空港アクセスの良さと路線の多様性が開催地選定の重要な条件になります。

空港利用の低迷は、そのまま「大規模イベントを呼び込みにくい」「海外からの直行需要を取り込みにくい」という形で都市競争力に跳ね返ってくる可能性があります。

居住環境と「住み続けたい都市」への影響

現実的な判断としては、「住民がどこまでストレスなく外の世界とつながれるか」が、長期的な人口定着にも影響します。

進学や単身赴任、Uターン・Iターン、二拠点生活など、ライフスタイルの多様化が進む中で、「帰省や出張がしにくい都市」は若年層にとって魅力が下がりやすくなります。

松山空港の利用環境を改善し、都市圏内の公共交通やMaaSと連携させることで、「クルマを持たなくても暮らしやすい」「全国各地とつながりやすい」都市像に近づけることができます。

これは、コンパクト・ネットワーク型のまちづくりとセットで考えるべきテーマであり、空港の位置づけを「観光とビジネスだけの玄関口」から「日常生活を支える基盤」へと広げることにもつながります。

松山市の広域交通戦略はどこを見直すべきか?

空港アクセスと都市内交通の一体設計

結論として、空港利用を伸ばすうえでの第一歩は、「空港までのアクセスと市内の移動」を一体で設計し直すことです。

国土交通省の調査では、松山空港〜都心間の公共交通はバスが中心で、自動車の分担率も高く、空港アクセス改善と自動車からの転換が重要な課題と指摘されています。

この点から分かるのは、単にバス便数を増やすだけでなく、LRTやBRT、空港リムジン、シェアモビリティなどを組み合わせ、「迷わず・待たず・乗り継ぎやすい」アクセス軸を整備する必要があるということです。

デジタルチケットやMaaSアプリと連携し、「空港到着から目的地までのルートと支払いを一括で完結させる」仕組みを導入すれば、ビジネス・観光双方の利便性向上につながります。

港・鉄道・高速道路とのネットワーク化

松山は港・空港・平野・都市機能が近接しているという地理的な強みを持ち、物流・観光・通勤・通学の多様な移動が交わるポテンシャルがあります。

このポテンシャルを活かすには、空港だけでなく、松山港・三津浜港・鉄道・高速道路を結んだ「多層的な交通ネットワーク」を設計し、四国内外からのアクセスルートを複線化・多様化することが重要です。

例えば、空港から港までのアクセス改善により、クルーズ客や離島観光と連携したパッケージを組みやすくなり、瀬戸内全体をまたぐ周遊ルートの拠点としての価値が高まります。

ビジネス面では、空港物流と港湾物流を組み合わせることで、時間価値の高い貨物や地域ブランド商品の輸送にも活用しやすくなります。

需要創出とブランディングの視点

この点から分かるのは、「路線があれば需要が生まれる」のではなく、「行きたくなる理由・拠点機能・イベント」が揃って初めて、路線の持続性が高まるということです。

松山空港将来構想では、愛媛らしい魅力づくりやコンセッション方式による民間活力の導入など、「空港そのものを目的地化する」発想も示されています。

具体的には、空港内外を活用したイベントやプロモーション、地域産品の発信、ビジネスラウンジやコワーキング機能の強化などが考えられます。

都市競争力の観点では、「松山に来ると何ができるか」を明確に打ち出し、その入口として空港を位置づけることが、長期的な需要創出に直結します。

よくある質問

Q1. 松山空港の利用は本当に低迷しているのですか?

A1. コロナ前比では国際線旅客が回復・増加している一方で、都市規模や潜在需要に見合うほどの路線数・座席供給にはまだ達していない状況です。

Q2. 松山空港が選ばれにくい理由は何ですか?

A2. 利便性や定時性は高評価ですが、路線の選択肢や便数、乗り継ぎのしやすさの点で他地域の拠点空港に比べて見劣りすることが、選択率に影響しています。

Q3. 空港利用の低迷は松山市の経済にどう影響しますか?

A3. 出張コストや移動時間の面で企業立地や投資判断に不利になり、観光やMICE誘致でも他都市に比べて競争力が下がるリスクがあります。

Q4. 松山空港の強みはどこにありますか?

A4. 市内・県内からのアクセスの良さ、定時出発率の高さ、小規模空港としての運営効率などが強みとして挙げられています。

Q5. 松山市は広域交通戦略で何を重視すべきですか?

A5. 空港アクセス改善と都心交通の整理、港・鉄道・高速道路とのネットワーク化により、広域からのアクセスと都市内回遊性を高めることが重要です。

Q6. 住民の生活にとって空港はどんな意味がありますか?

A6. 進学・就職・出張・帰省などライフイベント時の移動ハブとして機能し、「外の世界とのつながりやすさ」が居住意欲や人口定着に影響します。

Q7. 今後の松山空港の目標は何ですか?

A7. 将来構想では、2030年度に旅客数317万人・路線数13路線とし、中長期的に中四国一の利用者数と路線数を目指す方向性が示されています。

まとめ

判断基準として重要なのは、松山空港の「低迷」を単なる数字の問題として捉えるのではなく、「都市全体の交通・経済・暮らし」と結びつけて考えることです。

松山空港はアクセスと定時性に強みがある一方、路線構成や広域需要の取り込みの面で改善の余地があります。

広域交通戦略として、空港・港・鉄道・道路を結び、四国・瀬戸内・全国をつなぐネットワークを再設計することが必要です。

ビジネス・観光・生活の三つの視点から、「松山に来やすく・動きやすく・暮らしやすい」都市づくりとセットで、空港利用拡大を図るべきです。

こうした取り組みを通じて、松山空港は単なる地方空港から「四国のゲートウェイ」としての存在感を高め、結果として松山市全体の都市競争力を押し上げていくことが期待されます。

中野たいせいの想い

中野たいせいは、松山で暮らす一人ひとりの声に耳を傾け、 子育て、福祉、防災、交通、地域経済など、生活に直結する課題に向き合っています。

「松山をもう一度元気にしたい」。 その想いの原点や、まちづくり・防災・生活密着型政策への考え方を、こちらの記事で詳しく紹介しています。

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